研究課題/領域番号 |
25463435
|
研究機関 | 長崎県立大学 |
研究代表者 |
高比良 祥子 長崎県立大学, 看護栄養学部, 講師 (40326484)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | C型肝炎 / 抗ウイルス治療 / QOL / 相談支援 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、抗ウイルス治療難治性のC型慢性肝炎患者に対する看護相談モデルを開発することである。第1段階では、抗ウイルス治療を受けたC型慢性肝炎患者を対象に面接調査を行い、著効例および非著効例の治療効果の受容プロセスを明らかにする。第2段階では、抗ウイルス治療を受けたC型慢性肝炎患者への質問紙調査により、健康関連QOLを明らかにする。治療効果の受容プロセス、健康関連QOLの調査から、抗ウイルス難治性のC型慢性肝炎患者に対する看護相談モデルを構築する。今年度は、治療効果の受容プロセスにおける非著効例のレジリエンス(困難で脅威的な状況にもかかわらずうまく適応する力)に着目し、山浦(2012)の質的統合法を用いた分析を行った。結果、抗ウイルス治療によりウイルス排除が得られなかった難治性C型慢性肝炎患者のレジリエンスの構成要素として【ダメージの自覚】【自己管理】【病いの引き受け】【新薬への希望】【楽観】【支え,支えられる】の6つが抽出された。【自己管理】【楽観】【支え,支えられる】【病いの引き受け】は、がん患者、先天性心疾患患者のレジリエンスの先行研究と同様の結果であった。一方、【ダメージの自覚】が自己管理の動機付けとなり身体的適応を促進し、抗ウイルス治療の飛躍的発展による【新薬への希望】が心理的適応を促したと考えられ、これらは難治性C型慢性肝炎患者のレジリエンスの構成要素の特徴と考えられた。今後は、著効例および非著効例の治療効果の受容プロセス、レジリエンスの構成要素に基づき、看護相談モデルの検討と論文投稿を行う。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究者の業務の多忙と親の介護のため研究時間を十分に確保できなかった。2014年~2015年に認可されたIFN-freeDAAs(経口抗ウイルス薬)によりC型慢性肝炎ウイルス治療の著効率が90~98%となり,難治性の概念が変化し,研究計画の見直しが必要となったため。
|
今後の研究の推進方策 |
第1段階の調査結果をまとめ論文投稿を行う。平成28年度は、第2段階の質問紙調査の対象施設への倫理審査委員会申請、調査の実施を行う。研究補助者を雇用し研究遂行を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
第1段階の面接調査は完了したが、第2段階の質問紙調査が未実施のため
|
次年度使用額の使用計画 |
調査実施のための調査旅費、研究協力者への調査謝品、郵送調査費、収集したデータ整理のための研究補助者謝金、専門的知識提供者への謝金を算出する。および研究打ち合わせのための旅費、調査結果の学会発表のための学会発表旅費を算出する。
|