研究課題/領域番号 |
25463436
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 沖縄県立看護大学 |
研究代表者 |
神里 みどり 沖縄県立看護大学, その他の研究科, 教授 (80345909)
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研究分担者 |
清水 かおり (比嘉 かおり) 名桜大学, 健康科学部, 准教授 (10284663)
謝花 小百合 沖縄県立看護大学, 看護学部, 講師 (30647003)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 補完代替療法 / がん患者 / がん看護 / エビデンス / 苦痛症状の緩和 |
研究概要 |
Medline, CINAL, Cochrane Library, 医学中央雑誌などの検索機能を活用して、国内外のがん患者の苦痛症状の緩和に関する補完代替療法について、システマティックレビューを中心に文献検索を行った。その結果、主にがん患者の倦怠感、がん性疼痛、不安、睡眠障害、認知障害、骨粗鬆症などの苦痛症状の緩和に対して補完代替療法の有効性が報告されていた(2011)。 がん性疼痛に関して、がん看護援助で活用できる有効な補完代替療法として、精神的な教育的援助、音楽療法、リフレクソロジー、レイキ療法、アートセラピーなどがあった(2014)。運動療法については、ボディイメージやセルフエスティーム、気分不快、セクシャリティ、睡眠障害、社会的機能障害、不安、倦怠感、痛みなどの症状緩和の有効性が報告されていた(2012)。アートセラピー(音楽療法やダンス療法、アート療法)については、不安を軽減する可能性が報告されていたが、抑うつの軽減やQOLの向上には有効性はみられなかった(2014). 次に、米国のがん看護学会が推奨しているがん患者の苦痛症状の緩和(2009/2011)に対するエビデンスカードを分析し、補完代替療法の活用の有無とそのエビデンスレベルについて検討を行った。その結果、15の苦痛症状に対して、推奨されるまたは有効性の可能性がある補完代替療法として、心理教育的介入、リラクセーション療法、マッサージ療法、運動療法、指圧、音楽療法、ヒーリングタッチ、認知行動療法、食事指導など24種類があげられた。有効性と不利益が同程度の補完代替療法の介入は3種類であった。有効性が確立していない補完代替療法として78種類が取り上げられており、今後エビデンス確立のための研究の必要性が考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
米国がん看護学会の補完代替療法のインターネットを介しての教育セッションが年に1回しか開催されないために、昨年度タイミングを逃したためにその教育内容の分析がまだである。対策として、平成26年度に開催される米国のがん看護学会の教育セッションの分析を予定している。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度の研究結果をもとに臨床の看護師、患者・家族が使用できる補完代替療法のエビデンスカードの開発を行う。そのエビデンスカードの有効性の検証のための研究計画をたて、次年度研究ができるようにする。平成25年度の残っている課題については早急に分析を行い、エビデンスカードの作成に反映できるようにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
米国がん看護学会が開催しているネットにより補完代替療法の教育セッション参加による分析が進んでいないために予算の執行が計画的にできなかった。 昨年度の計画を今年度、早急に遂行し、今年度の研究計画と合わせて研究計画を練り直し、適切な研究計画の遂行を図る。
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