研究課題/領域番号 |
25463443
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
内堀 真弓 上智大学, 総合人間科学部, 助教 (10549976)
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研究分担者 |
浅野 美知恵 東邦大学, 健康科学部, 教授 (50331393)
山崎 智子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 准教授 (10225237)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | フットケア / 糖尿病足病変 / 糖尿病合併症 / セルフマネジメント / セルフモニタリング / 糖尿病看護 / 慢性病看護学 / 教育プログラム |
研究実績の概要 |
【目的】糖尿病足病変ハイリスク患者の現実の生活に即したセルフモニタリングをガイドする客観的指標を明示するため、1)セルフモニタリングの困難と対処の実際についての調査、2) フットケア外来での実践内容と評価指標に関する調査実施のための準備を行った。 【結果】1)外来通院する糖尿病患者の合併症重症化予防のためのセルフモニタリングの困難と対処の調査:フットケア外来通院中の患者20名の面接調査及び参加観察より得られたデータを分析した。自身の足の状態について、些細な変化を糖尿病足病変に関連付ける者から、明らかな変化が出現するまで危機感を覚えない者まで様々であった。困難としては、足の変化が一見してわからない場合はどうしてよいかわからない等、対処としては、変化がわかるように白い靴下を履く、とにかくマッサージをして様子をみる等が見出された。2) フットケア外来での調査票作成準備:フットケア外来でのアセスメント、ケア及び処置、指導内容について、文献及び調査施設での実際の診察と援助の状況より得られた情報を整理した。その結果、実践内容:看護師は、セルフマネジメント力強化のため、視診、触診に加え、詳細な問診から得られる情報を基に、神経や血流障害に関する検査を取り入れながら、患者に客観的データをフィードバックしていた。 【考察】1)フットケア外来通院患者にとってセルフモニタリングの困難の内容からは、その背景に些細な変化を見逃さない観察力と継続力などがあることが捉えられる。対処の内容からは、変化の兆しを見逃さない工夫と、自分なりの方法で症状緩和に努める様相が捉えられる。2)セルフモニタリングガイドにむけた指標には、自己効力向上や症状の意味づけなどの内面の動機づけに直接つながるような内容を包含する客観的指標の開発の必要性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定では、昨年度、当事者を対象とした調査を実施する予定であったが、研究者所属施設と研究協力施設での倫理委員会審査等の手続きに時間を要したため、調査開始が遅れた。次の段階であるフットケア外来での実践内容と評価指標に関する調査は、当事者調査で得られた内容を反映させるため、同時並行して進めることが出来ず、研究の進行が遅れる結果となった。しかし、当事者調査実施施設での看護援助の実際についての情報や、調査内容の分析において、プログラム考案に向けて新たな示唆も得られているため、研究の達成度は「やや遅れている」とした。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は、フットケア外来を有する医療施設及び高度な実践能力を有すると考えられる看護師の属する施設フットケア外来での実践内容と評価指標に関する調査を行い、プログラム考案に向けての客観的指標を明示する。調査にあたっては、研究協力者および分担研究者との連絡体制を整え、円滑な実施を調整する。それらの結果に基づいて糖尿病足病変ハイリスク患者のセルフモニタリング機能促進看護支援プログラムの検討を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度実施予定であった当事者への調査を実施したこと、当初予定された調査票を用いた調査が実施に至らなかったため、調査に関する旅費、謝金、通信料、消耗品(統計ソフト)に変更が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度は、質問紙郵送法調査の調査を予定している。当初の予定に加え、調査票作成に向けた消耗品や通信費(20万円)、学会や専門的知識の蓄積のため研修の旅費及び参加費(50万円)の増額が予測される。
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