研究課題/領域番号 |
25463449
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
堀井 直子 中部大学, 生命健康科学部, 教授 (90410662)
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研究分担者 |
前川 厚子 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20314023)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 肺がん患者生活調整支援モデル / 肺がん / 構造方程式モデル / 妥当性 |
研究概要 |
本研究の目的は,「肺がん患者生活調整支援モデル」の効果について検証し,具体的で効果的な看護介入プログラムを提言していくことである.「肺がん患者生活調整支援モデル」は,研究者らが開発した多重指標モデル(2013)で,患者の肯定的自己評価と生活調整力を高める介入を組み合わせて行うことによって,QOLの向上が期待できることを想定し,検証した結果,適合度指標GFI(.963),AGFI(.930),CFI(.974),RMSEA(.040)であることから整合的であると評価された. 平成25年度は,モデル構築時に,取り上げていない要因について変数を充実させ再検討をすることを目的として取り組んだ.まず肺がん患者6名に対し,診断されてからの生活を自由に語ってもらう中で,新たな生活として語られた内容の分析を行った.結果,肺がん患者が新たな生活を創り出すプロセスは、〈病気に向かう構え〉を創り出し,〈症状・副作用による生活の不便さ〉を感じて悪化しない対策をとっていた.また不便さが増強する経過の中で,徐々に〈役割の遂行〉ができなくなり,役割の委譲を余儀なくされる中でも〈今の生活が普通と思えてくる〉という生活感覚に変化していた.狭小化していく生活が普通と思えることへの関連要因は,病気になった自分の存在価値を見出す等の〈病気に向かう原動力〉を持ち続けること,仕事や趣味の内容を変更しながらも継続する〈時期に応じた人生の潤し方〉を見つけることであった.以上の結果を,「肺がん患者生活調整支援モデル」の変数と比較検討した結果,〈今の生活が普通と思えてくる〉という生活感覚が新たな変数として見出され,研究者らはこれを「上手なあきらめ」という自己受容(上田;1993)と解釈した.現在,研究協力施設へ質問紙調査のための手続きを終え,研究協力患者に質問紙の配布を始めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
肺がん患者からのデータ収集に際して,施設側との調整や対象者のリクルート,に向けて予想以上の時間を費やした.
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画では25年度中に研究者らが構築したモデルについて取り上げていない要因の変数を充実させ,「肺がん患者生活調整支援モデル」の再検討をする予定であった.しかし,対象者のリクルートに予想以上の困難があり,「肺がん患者生活調整支援モデル」の再検討に向けた変数の検討と、その仮説を検証する質問紙の準備に留まった.26年度は「肺がん患者生活調整支援モデル」の完成と,看護介入プログラムの作成を目指すことに計画を変更する.
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