研究課題/領域番号 |
25463451
|
研究機関 | 天理医療大学 |
研究代表者 |
松井 利江 天理医療大学, 医療学部, 助教 (30635090)
|
研究分担者 |
片岡 純 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (70259307)
布谷 麻耶(吹田麻耶) 天理医療大学, 医療学部, 講師 (70514735)
福田 陽子 天理医療大学, 医療学部, 助教 (80718974)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 婦人科がん / 化学療法 / 配偶者 / ケアモデル |
研究実績の概要 |
平成26年度は、個別面接調査で明らかになった配偶者の体験から医療者に対する支援ニーズを抽出し、ケアモデルの原案を作成する研究計画であった。しかし、昨年は研究参加者が7名にとどまったため、継続してデータ収集を行った。結果として、合計10名の面接調査を行った。 得られたデータは昨年度の分析結果で生成された概念と比較分析を行った。分析のプロセスでは適宜、共同研究者と分析の妥当性を検討することで、生成概念の洗練に努めた。 その結果、困難と対処を示す16の概念が生成された。配偶者は、療養期間の長短に関わらず<婦人科がんを相手にはどうしようもない><一番欲しい情報は入手できない><化学療法との付き合い方が分からない><妻の苦しみを感じて辛い><男には立ち入れない><妻に分かってもらえない><家事にきりきり舞いする>という困難を拭えず、抱え続けていた。これらの困難に対する対処方法は、<弱みは見せない><化学療法を頼みの綱にする><よかれを思うことを行う>という、全てを自分で抱える方法から、<医療者が傍に居てくれる><周りに打ち明ける>他者に支援を求めることで、<妻の体調の良し悪しを見定める><自分の健康に気を配る>ように、自分自身にできることを考え、力の配分をする方法に変化し、さらには気負いを捨てて<少しのことではめげない><夫婦の生活パターンを作る>方法へと変化していることが明らかになり、本研究は第1段階を終了した。 現在は、第2段階のケアモデル原案作成のため、国内外の文献レビューにより、がん患者の男性配偶者に対する看護実践の洗い出しを行っている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
第1段階の研究計画において、研究参加者を得ることに困難を伴った。その理由として、研究フィールドであるA病院で繰り返し化学療法を受けている患者は、ある程度固定しており、彼らにはすでに研究依頼を終えていたためである。本来は、15名程度の研究参加者を得る予定であったものの、現状として難しいと判断し、10名にとどまった。また、面接調査の期間延長に伴い、全体の研究計画に遅れが生じた。
|
今後の研究の推進方策 |
現在、行っている第2段階の文献の理論的統合を6月末までに終了し、9月までにケアモデル原案の作成を行う。その後は11月までにケアモデル原案の臨床での適応性について、研究倫理審査を経て2か所の医療機関の婦人科病棟で勤務する看護師を対象にグループインタビューを行う。その結果の分析を1月までに終了し、ケアモデルを完成させる。
|
次年度使用額が生じた理由 |
計画していた海外学会への参加ができなかったこと、面接調査内容の逐語録作成は研究者が行ったことより、予算を使用しなかった。また、文献の取り寄せ費用が見込みよりも少なかったため。
|
次年度使用額の使用計画 |
ケアモデルには、マーガレットニューマンが提唱する「拡張する意識としての健康」理論の考え方を参考にしたいと考えている。そのため、この理論に精通した講師招致し、実践への活用に関して講義を計画した。講師の交通や謝金に充てたい。 また、昨年度は予定していた国際学会(International Family Nursing Association:Demmark)に参加するため、この交通費・参加費に充てたい。
|