研究目的を,生体肝移植を受けた人々が,生体肝移植に関わる情報への向き合い方を理解することとした。 結果,10名の生体肝移植を受けた人々全員には情報と向き合う行動に同様の特徴が明らかになった。その行動の中には、移植の前には,「移植の情報を取りたいと思っていても手に入らない」ことで困惑し,退院前に「病院で教えられたことは分かるが,生活の中での細かい疑問が解決できない」ことに直面していた。また,退院後の生活では,「今後の不安を解消するような情報の不足」という内容が含まれていた。生体肝移植に関する情報は,医療者が発信する情報と,レシピエントの持つ情報リテラシーにはギャップがあることが明らかになった。
|