研究課題/領域番号 |
25463454
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
岩永 和代 福岡大学, 医学部, 准教授 (40461537)
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研究分担者 |
小竹 久実子 順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (90320639)
石橋 曜子 福岡大学, 医学部, 助教 (70469386)
羽場 香織 順天堂大学, 医療看護学部, 助教 (90419721)
宮林 郁子 福岡大学, 医学部, 教授 (40294334)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 頭頸部がん / 化学放射線療法 / QOL |
研究実績の概要 |
頭頸部がんで化学放射線療法を受ける患者を対象として、継続的なQOL調査を実施している。使用している調査票は、SF36v2、EROTC-QLQ-C30、EROTC-QLQ-H&N35である。SF36 v2はiHope、EORTC-QLQはEORTC本部よりそれぞれ登録申請を行い使用許可を得た。これらに基本情報を尋ねる質問項目を追加した調査票を作成した。調査は、治療開始前、退院前、退院3ヶ月後、退院6ヶ月後、退院1年後、退院2年後である。治療開始前、退院前は留め置き法とし、回収ボックスにて回収した。退院後は郵送法とした。 調査場所は福岡大学病院の耳鼻咽喉科病棟で、診療部長、看護部長、病棟師長の了解を得、福岡大学病院臨床研究センター倫理審査委員会の承認(整理番号14-10-04)を得て調査を開始した。 現在までに、頭頸部がんで化学放射線療法を受ける目的で入院した患者のうち49名の承諾が得られ、そのうち治療開始前では42名から回答が得られた。患者は男性32名、女性10名、平均年齢は65.8歳であった。腫瘍部位は口腔4名、上顎洞2名、上咽頭2名、中咽頭6名、下咽頭11名、喉頭11名、耳下腺2名、甲状腺1名、外耳道3名であった。38名が放射線療法を行い、うち22名は化学療法を併用した。4名は化学療法のみであった。また、10名は化学放射線療法終了後に手術療法を併用した。退院前は32名、退院3ヶ月後は30名、退院6ヶ月後は10名、退院1年後は6名から回答が得られている。 このうち治療開始前、退院前どちらにも回答が得られた18名のQOLを分析したところ、PF、RP、VT、REは治療後で有意に低かった(p< .05)。BP、GH、SF、MHで有意差はみられなかった。EROTC-QLQ-C30、EROTC-QLQ-H&N35は現在分析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画の段階では、調査場所として福岡大学病院および他1施設を予定していたが、他施設との折り合いがつかず、現在は福岡大学病院耳鼻咽喉科病棟のみで調査を実施している。80名程度を調査対象とする予定であるが、現在まで対象者が42名にとどまっている。また、縦断的調査の過程で、緩和ケアへの移行や体調等が悪化し、調査途中で除外せざるを得ない事例も多いため、調査に遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
本年度も福岡大学病院耳鼻咽喉科病棟での調査を継続し対象者を増やしていく予定である。 また、海外の学会(Asian Oncology Nursing Society 2016 Conference、20th EAST Asian Forum of Nursing Scholars等)で発表し、情報を発信するとともに、論文投稿を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究遂行について若干の遅れがあり、事業期間を1年延長したため。
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次年度使用額の使用計画 |
学会発表の英文校閲料や旅費、学会参加費として使用する。また、研究報告書を作成するために使用する。
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