研究課題/領域番号 |
25463458
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 活水女子大学 |
研究代表者 |
松浦 江美 活水女子大学, 看護学部, 准教授 (20363426)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 膠原病 / ストレス / 慢性疾患 / 自己管理 |
研究概要 |
【目的】膠原病患者において、ストレスマネジメントプログラムを含む慢性疾患セルフマネジメントプログラム(Chronic Disease Self-Management Program; CDSMP)の介入により、ストレス適応系としての神経・内分泌・免疫系の機能異常(歪み)が是正される効果メカニズムについて免疫・生理学的および看護学的研究手法(質的研究)を用いて明らかにする。 【方法】膠原病患者に対して慢性疾患セルフマネジメントプログラム(CDSMP)介入を行い、うち数名にCDSMP前後の気持ちや行動の変化について聞き取り調査を行った。 【結果】これまでの研究において、膠原病患者では疾患自身による(炎症性)ストレスのほか日常的な心理・社会的ストレスを含めた慢性的なストレスの増加により神経・内分泌・免疫系のバランス破綻を生じていた。今回の聞き取り調査の結果として、現在分析の途中ではあるが、慢性疾患セルフマネジメント介入後の気持ち・行動については、前向きに変化しており、対象者の中には痛みの自覚の程度が明らかに低下していることが明らかとなった。 【結語】引き続き慢性疾患患者の中でも膠原病の患者を対象にして、今まで明らかになったHPA-Axisの歪みと疾患活動性やその他の要因との関連(量的研究)に合わせて『CDSMP介入前後の気持ち・行動の変化』を質的に分析し、その効果のメカニズムを明らかにしていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでの研究により、膠原病患者ではストレスが高く、HPA-axisの機能異常の存在やストレス対処能力との有意な関連性についての結果が得られている。今年度の研究計画では、介入を行いその介入効果を質的に分析することを目標にしていたが、同時に膠原病患者の生理学的なデータを収集し、分析も行っている。そのため、介入については、参加者の時間的な制約、思っていたよりも参加者のリクルートができなかったため、当初の予定よりもやや遅れている状況である。しかし、計画を一部変更し、縦断的な調査をした方がよりCDSMP介入効果のメカニズムを明らかにすることができると考え、生理学的なデータは介入前・中・後、半年後、1年後まで追跡できている。
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今後の研究の推進方策 |
上記に記述したように、現在までの達成度としてはやや遅れているものの、介入を行った対象者の生理学的なデータは介入前・中・後、半年後、1年後とともに介入1ヵ月後、半年後、1年後でのCDSMP前後の気持ちや行動の変化について聞き取り調査を行っていく。前述のような対応をすることで、対象者は少なくても生理学的・気持ちの変化についての縦断的な分析が可能になると考える。
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次年度の研究費の使用計画 |
1.アルバイトの謝金にて計上していた分が、データ収集が予定よりもやや遅れたため、使用できなかった。 2.海外にて発表予定であったものの採択されず海外旅費として計上していた分を使用することができなかったことが原因と考える。 2013年度の残高である137222円のうち、3月中に使用していた以下の分の引き落としが4月以降になっている。 1.アルバイトの謝金が23000円 2.旅費5080円 そのため、残高109142円については、2014年度の物品費などへ計上していきたい。理由としては、WindowsXPのサポートが終了するにあたり、研究室で使用するパソコンを購入したため物品費が不足している状況である。
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