研究課題/領域番号 |
25463460
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
鷲尾 利克 独立行政法人産業技術総合研究所, ヒューマンライフテクノロジー研究部門, 主任研究員 (40358370)
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研究分担者 |
鈴木 孝司 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (00468688)
中川 敦寛 東北大学, 大学病院, 助教 (10447162)
荒船 龍彦 東京電機大学, 理工学部, 助教 (50376597)
工藤 大介 東北大学, 大学病院, 助教 (30455844)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 情報共有 / 携帯端末 / 画像 / 動画 |
研究概要 |
今年度は、看護師が臨床現場で患者情報を記録し共有するためのシステムを、開発初期から看護師の意見を取り入れながら作成し、臨床での実証実験が可能な段階まで完成度を高め、システム開発の方法およびシステムに関して学会発表を行った。作成したシステムは、携帯端末とサーバPCからなり、情報は無線LAN経由でやり取りされる。携帯端末は、市販品にソフトウェアをインストールすることで使用することが出来る。画像撮影、また過去に収集した画像の閲覧も可能である。更にはタブレット型端末では、2つの画像もしくは動画同士を比較出来、患者の状態の経過を非言語情報として確認することが出来る。携帯端末は看護師が患者看護の際、記録または過去情報を閲覧することを想定し、タブレット型端末は、多人数での打ち合わせの際に使用することを想定している。 従来、看護師は既存機器を工夫して使用することで情報共有を行っていたが、言語以外の情報、静止画や動画等、を言語化せずに記録することの必要性を感じながらも、恒常的には行ってこなかった。背景には、画像の撮影には多忙を極める臨床現場においては、手間がかかり業務全体を滞らせる行為と考えられていたからである。今回のシステムは、患者の状態を言語化して記録すると共に、言語化された対象を、静止画や動画で記録することも容易である。撮影が容易であることは、より多くの画像を看護業務において撮影することを可能にする。多くの非言語情報が集積すれば、言語化した場合に個々人の経験で切り落とされてきた情報を共有することを可能にし、同じ状況を確認しながら言語化の工夫を行うを可能にする。つまり、臨床現場に置ける看護業務の高度画一化が期待でき、この点に本システムを臨床現場に投入する意義がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
看護師の意見を取り入れ作成した情報共有システムを、臨床現場で使用する準備において、実証実験場所となる臨床病棟のネットワークシステムの調整に時間がかかってしまったために計画よりやや遅れている。臨床病棟を使用する際、臨床用のネットワークとは別のネットワークを敷設したが、想定していた性能を発揮せず、その調整に時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
ネットワークの調整について、現在までにほぼ必要とする性能を発揮していることが確認できており、システム運用を想定した最終チェックの後、実証実験を開始する。 実証実験の遂行を行い、情報共有システムの有用性の確認、さらには情報共有システムを用いることで集積した情報、および使用に関するアンケートから新人、先輩それぞれのピットフォール、暗黙知の抽出を行い、新人のための学習システム構築を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
臨床現場での実証実験が始まると、携帯端末の破損、不具合が生じることを予想しており、現在導入を予定している端末台数すべてが破損した場合を想定し、その代替機の購入を想定していた。しかし、ネットワーク調整に時間を有してしまい、年度内に実証実験を開始出来ず、従って使用に伴う不具合が根本的に発生していないため。 実証実験開始後に、破損および不具合がでた場合、代替端末の購入費として使用する予定。
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