研究課題/領域番号 |
25463463
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
藤田 愛 山形大学, 医学部, 准教授 (70361269)
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研究分担者 |
宮下 ルリ子 神戸市看護大学, 看護学部, 助教 (00453522)
遠藤 由美子 琉球大学, 医学部, 准教授 (90282201)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 母乳栄養 / 妊娠・授乳期 / 食事摂取状況 / 生活環境 / 全国調査 / 縦断研究 |
研究概要 |
妊娠期の栄養は、胎児の成長だけでなく母乳の産生準備として知られているが、母乳栄養継続との関連は明らかにされていない。さらに授乳期の栄養もまた、母乳成分への影響が知られているが、母乳栄養継続との関連について明らかしているものは少なく、全国的に調査したものはない。そこで、本研究では、WHOが推奨している“産後6ヶ月までは母乳栄養”に準じ、妊娠期から産後6ヶ月まで、母親の食事摂取状況と生活習慣、授乳状況や職業など母乳栄養継続に関連のある要因を組み入れて縦断的に全国調査し、母乳栄養継続可能な栄養管理の資料を提示することを目的とする。 本研究期間内に次のことを明らかにする。1)妊娠期の食事摂取状況と地域差の検討、2)妊娠期の食事摂取状況と授乳期の食事摂取状況の関連、3)妊娠授乳期の食事摂取状況と産後3ヶ月および産後6ヶ月の母乳継続率との関連、4)地域別に妊娠授乳期の食事摂取状況のデータの提示。 平成25年度は主に、研究協力体制の整備とプレテストを行った。 1.研究協力体制の整備:全国の分娩を取り扱う施設に依頼し、施設の倫理委員会の承認後、対象を登録した。 2.質問紙の作成とプレテストを行った。作成した質問紙は、児の4ヶ月健診に訪れる予定の母親100名に事前に配布し、回答してもらい、健診当日に回収した。分析は、連携研究者と双方で分析し、質問紙の内容を吟味した。 プレテストのデータ分析より、母乳栄養継続の要因に「受動喫煙」「朝食の欠食」が大きいことが示された。この結果から、全国調査においても重要項目として位置づけることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、1年目でプレテストを行い質問紙を吟味できた。また、東北・北海道地方、関東・中越地方、関西・中部地方、九州・沖縄地方にある施設から調査協力の承諾をいただいた。 当該研究に関連する論文掲載、学会発表を行い、順調に進展していると自己評価する。
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今後の研究の推進方策 |
1.質問紙の配布と回収:協力施設に対し、研究の目的を再度説明し、質問紙の配布を行う。調査票の配布と回収方法は、初回:産褥入院褥婦に対し、研究協力者が本研究の説明用紙を配布し、本研究に同意が得られた者に対し自記式質問調査票を配布する。回収は、施設にて留め置きののちに郵送法にて回収する。産後3ヶ月と産後6ヶ月:郵送法にて対象者に配布と回収を行う。調査票の不備があった場合:本研究は、産後6ヶ月までの縦断研究である。そのため、不備のある場合は電話あるいは郵送にて確認し、データの不備を整える予定である。 2.対象の選定:地区の選定は八地方区分に則り、本研究では東北・北海道地方、関東・中越地方、関西・中部地方、九州・沖縄地方を選択する。協力施設は分娩を取り扱う施設とする。食事療法を必要とする合併症(例:糖尿病)褥婦は対象から除外する。サンプルサイズは、先行研究(藤田2012)をもとに各地区200サンプルとする。また、欠損値や途中の脱落を考慮し、登録数は250サンプルとする。目標サンプル数に満たないと予想された場合:本研究は、地方別 にデータ収集を行う。そのため、1施設で目標のサンプル数の確保が見込めない場合は、同地方の他協力施設への依頼を検討する。 3.中間評価:妊娠期の食事摂取状況を評価する。分析は、国立健康・栄養研究所と双方で行う。 4.データベース化:妊娠期、産後3ヶ月、産後6ヶ月それぞれの質問票のデータすなわち、対象基本情報、生活習慣、食事などのデータをリンケージしデータベース化する。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度海外学会での発表が採択され、旅費・その他費目を次年度に繰り越すことにしたため データ収集が開始されるため、それに伴う研究補助の人件費、謝礼の物品費に当てる予定である。 成果発表のため学会出張旅費に当てる予定である。
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