研究課題/領域番号 |
25463464
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
中村 伸枝 千葉大学, 看護学研究科, 教授 (20282460)
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研究分担者 |
佐藤 奈保 千葉大学, 看護学研究科, 講師 (10291577)
内海 加奈子 千葉大学, 看護学研究科, 助教 (20583850)
仲井 あや 千葉大学, 看護学研究科, 助教 (30612197)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 看護 / 小児 / 1型糖尿病 / インスリンポンプ |
研究概要 |
本研究の目的は、日本において急速に増加しつつあるインスリンポンプ療法を行う小児に対し、療養生活上の課題やその対処方法を明確にし、成長発達に沿ったセルフケアができるよう支援すると共に、周囲の理解を高めサポートを得やすくすること、療養生活の評価指標を得ることである。平成25年度は、①インスリンポンプ療法を行う子どもの文献検討、および、②インスリンポンプ療法を行う小児の生活に関する調査に向けた準備を行った。以下、具体的に示す。 ①インスリンポンプ療法を行う小児の文献検討:小児を対象とした国内文献はほとんど得られなかったため、海外の21文献を検討した。その結果、以下が明らかになった。インスリンポンプ療法への移行において、親はストレスを体験していたが学童期以降の小児は純粋に再教育に引き寄せられポンプの機器操作に精通していた。インスリンポンプ療法の利点として【子どもも親もエンパワーされる】ことが最も多く、インスリン注射と比較してQuality of lifeが改善していた。課題として【ポンプを装着したままの生活に困難を感じる】、【学校生活での問題が生じる】が多く挙げられていた。学童・思春期の療養行動上の課題では食事の追加注入ミスが多く、インスリンポンプ療法の中断は、10歳以上、女子、開始時のHbA1cが高い者で多く、追加注入ミスを防ぐための親子の責任分担や、親の関わりの重要性が示された。以上の結果をまとめ、1月に学会誌に投稿した。 ②インスリンポンプ療法を行う小児の生活に関する調査:文献検討や臨床経験を踏まえ、「インスリンポンプ療法を行う子どもの療養生活の実態と課題」について、調査表を作成した(幼児は親用、学童以降は小学生,中学生以上の2種類)。現在、倫理審査委員会を通り研究参加施設との調整段階に入っている。また、最終年度の療養生活評価ツールの基盤となるセルフケアについて論文作成中。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度は、インスリンポンプ療法を行う小児の文献検討と、生活に関する調査を計画していた。文献検討については、国内外の文献を検討し学会誌への投稿を行った。生活に関する調査については、文献検討結果を反映させたため、開始は予定よりやや遅れたが、調査表を作成し、倫理審査に通るところまで実施できている。調査協力施設の内諾をいくつかの施設から得ている。年度末および年度初めは、研究協力を得ることが難しいため、5月を目途に研究開始を予定している。 以上より、研究はおおむね順調に進展していると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、インスリンポンプ療法を行う小児の生活に関する調査を実施し、学会発表、論文作成などにより公表すること、インスリンポンプ療法を行う小児の生活の中で生じやすいトラブルとその対処方法についてまとめた冊子を作成することである。 研究遂行上の課題は、大学における教育、管理業務等の増大であるが、計画的に研究を進めていくことで対応可能と考えている。
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