研究課題/領域番号 |
25463469
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
田辺 圭子 愛知医科大学, 看護学部, 教授 (40508959)
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研究分担者 |
玉腰 浩司 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (30262900)
室月 淳 東北大学, 医学系研究科, 客員教授 (50239555)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 妊娠期 / 自律神経活動 / 精神的ストレス / 胎内環境 / 産後うつ |
研究実績の概要 |
本研究は、同一妊婦に対して心拍変動を用いて縦断的に観察し、妊娠期における自律神経活動の推移を検討した初めての研究である。 研究参加者は81名のうち、除外基準および参加辞退などを除いた67名を解析対象者とし、妊娠期における母親の自律神経活動の推移、自律神経活動と精神的ストレスの関連性について解析を進めた。妊娠20週、妊娠30週、妊娠36週の3回とも自律神経活動を測定できた妊婦は、46名であった。46名の自律神経活動測定時期は、21.5±1.2週、30.9±1.0週、36.1±0.4週であった。 その結果、妊娠20週から妊娠30週へ経過するにつれて、交感神経活動亢進状態および副交感神経活動減弱状態となり、分娩直前である妊娠36週までその傾向は維持されていること。また、特性不安を有する群は有しない群との比較において、特性不安を有する群では、どの時期においても、有意に交感神経活動亢進状態および副交感神経活動減弱状態であることが明らかになった。さらに、状態不安を有する群は有しない群と比較して、各妊娠週数において、有意に交感神経活動亢進状態および副交感神経活動減弱状態を示し、この傾向は妊娠週数が進むほど顕著であることが示された。 本研究結果は妊婦の不安に対する早期介入の必要性を示唆するものである。早期より不安に対する介入や自律神経活動の安定を図る介入により、妊娠後期の妊娠高血圧症候群やそれに伴う合併症を防ぐことができると考えられる。 今後、さらに解析をすすめ、妊娠期のストレスの胎児発育や出生体重への影響、自律神経と胎内環境との関連など、解明していく予定である。
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