研究目的1「産後うつ病を発症した母親の家族の体験を明らかにする」 当初は、グランデッドセオリー法を用いて飽和をとれるようなデータ収集を計画していたが、研究対象者の語りから産後うつ病を発症した母親の家族が人に助けを求めず、困難感を抱え込む傾向にあること、また男性の特徴として人に話さないことから、データ収集は目標を大きく下回った。しかしながら、その家族の抱える課題については、詳細な個別データを収集できたことから現在、現象学的分析法をもちいてその体験をまとめている。今後、成果発表を計画している。 研究目的2「産後うつ病を発症した母親の家族の体験とケア・ニーズから、子育て期の家族へのメンタルヘルスに着目した支援モデルを構築する」 支援モデル構築のための準備として『子育て家族のこころを支える研究会』を立ち上げ、症例検討会および勉強会をこれまでに計13回開催した。現在は、地域の保健師、産科施設の助産師、看護師、臨床心理士、研究者の30数名が参加し、定期的にディスカッションをし、支援の検討を行うことができている。研究会についてはH27.12にホームページを立ち上げ、子育て期の家族を支援するための多職種連携のシステム作りの基盤ができつつあると考える。 成果発表については、途中経過で学会発表等を行ってきたが、論文化ができていない。今後、分析結果を論文化し公表していく予定である。
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