研究課題/領域番号 |
25463471
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
池田 智子 鳥取大学, 医学部, 講師 (50444633)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 更年期女性 / 更年期症状 / セルフケア |
研究概要 |
本研究は、更年期女性のセルフケアおよびQOLの向上を目指した学習プログラムの開発を目的として、①更年期女性のセルフケアの獲得過程とセルフケアの構成概念の解明、②セルフケアの測定用具の開発、③セルフケアおよびQOLを向上させる学習プログラムの介入および効果の検証を行なう。 当該年度は、地域における更年期女性を対象に更年期医療ガイドブックで推奨されている更年期症状の改善、予防が期待される内容の健康教室を開催し、①更年期症状がどのように変化したのか、②症状の変化に違いをもたらした要因を検討した。健康教室を4回シリーズで開催し、対象者の特性、更年期症状、抑うつ状態、健康度・生活習慣を健康教室1回目と教室終了時(4回目)および教室終了3ヶ月後に調査を行った。 健康教室の参加率は、1回目49名(100.0%)、2回目48名(98.0%)、3回目48名(98.0%)、4回目38名(77.6%)、教室終了3ヶ月後のfollow up教室29名(59.2%)であった。教室参加者の更年期症状は、異常なし(SMI<25)13名(34.2%)、要指導(26<SMI<50)19名(50.0%)、要治療(SMI>51)6名(15.8%)であった。健康教室終了後、更年期症状が改善した人は5名(13.2%)、悪化した人9名(23.7%)、変化なし24名(63.2%)であった。更年期症状の変化に関連する要因を検討した結果、症状が悪化した群は、改善した群、変化なし群に比べ、ベースライン時点で、生活習慣のストレス回避の項目が高い傾向がみられた。また健康教室参加による健康度・生活習慣および抑うつ状態の変化の関連については、症状が悪化した群では、教室参加時に比べ、生活習慣の運動意識、食事バランス、嗜好品、睡眠規則性、睡眠充足、休息の要因の改善又は変化が見られず、健康度が有意に低下していた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、更年期女性のセルフケアおよびQOLの向上を目指した学習プログラムの開発を目指し、一般的な更年期世代のセルフケアの構成概念を明らかにした上で、学習プログラムおよび測定用具を開発し、効果を検証することである。 一般的な更年期世代のセルフケアの獲得過程を検討するため、地域における更年期女性を対象とした健康教室を開催し、教室参加前後で更年期症状がどのように変化するのか、症状の変化に違いがあることが明らかとなったが、症状が改善した人は5名であり、更年期女性のセルフケア獲得過程の特徴を縦断的質的研究で検討することが十分できていない。 そのため、今後は更年期女性のセルフケアについて、既存の理論、先行研究から概念分析を行い、セルフケア構成概念の抽出を目指す。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策は、①更年期女性のセルフケアの構成概念を明らかにし、構成概念間の関係を検討し、②概念モデルを考案した上で、下位尺度とする質問紙項目案を作成し、信頼性・妥当性のある測定用具の開発を目指す。 平成26年度は、「更年期女性」「セルフケア」「自己管理」「セルフマネジメント」のキーワードをもとに、既存の理論や先行研究から概念分析を行い、構成概念を抽出する。理論的背景から得られた更年期女性のセルフケアの構成概念と実証的データから得られたセルフケアの要素と構造をもとに、更年期女性のセルフケアの構成概念モデルを考察する。
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次年度の研究費の使用計画 |
統計処理の手法として統計ソフトSPSSの研修の受講を予定していたが、日程が合わず受講できなかったため 次年度、統計ソフトSPSSの研修を受講する
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