研究課題/領域番号 |
25463475
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
薬師神 裕子 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10335903)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 小児糖尿病 / e-メンタリング / 糖尿病自己管理システム / 糖尿病教育 |
研究実績の概要 |
平成27年度は、小児糖尿病患者のメンタリングシステムとして、以下の2点について研究を行った。①小児糖尿病患者のセルフケア能力と自己効力感の向上を目的とし、タブレット型端末を用いて、小児糖尿病キャンプ中に血糖値をiPadから入力し、ホームページから血糖値を閲覧できるアプリの開発を行った。②キャンプ後にメンターとメンティーがホームページを使用して相談できるシステムを開発し専用HPを稼働させた。 ①については、糖尿病キャンプに参加した9~18歳の1型糖尿病患者18名に、血糖値・インスリン量・食事量・運動量・メモを入力できる専用アプリを搭載したiPad miniを用いて、キャンプ中の上記データを2日間入力し、システムの有用性、セルフケア行動、自己効力感について質問紙調査を行った。システムの操作性、画面の見やすさ、楽しさにおいて、5段階評価で4点以上の高い評価を得た。キャンプ前後のセルフケア行動得点は42.7点から48.4点へ、糖尿病自己効力感得点は43.6点から46.5点と有意に上昇した(P<0.05)。グラフ化したデータを見ることで血糖値の変化を理解しやすく、小児の血糖コントロールの意欲が向上することが示唆された。 ②の糖尿病キャンプ後のメンタリングについては、思春期患者7名と青年期患者4名からなる7組の患者を対象に、e-メンタリングを1年間の予定で開始し、現在も継続している。メンタリング開始前の糖尿病キャンプでは、台風のために日程が3泊4日から1泊2日に短縮されたため、メンターとメンティー同士の事前の交流が少なく、メンタリングが活発に行えていない対象者も存在している。今後、メンターおよびメンティー双方へのサポートや、システムの利便性などについて再検討し、活発なメンタリングが行えるよう改善していきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画自体は順調に進んでいるが、小児患者と青年期患者の事前の交流が少なかったこと、また、生活時間の違いやシステムの使いやすさなどが影響し、頻回なメンタリング活動を行うことが難しい状態にある者も存在する。今後、システムに改変を加えてメンタリング活動を促進する方策を加える予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、メンターとメンティーが、e-メンタリングシステムを活用した教育プログラムの成果について評価を行う。本プログラムの効果を測定するために、「HbA1c値」「糖尿病セルフケア行動尺度」「糖尿病セルフケアに関する自己効力感尺度」「メンタリング尺度」「The Match Characteristics Questionnaire」を用い、メンタリング開始前、6か月後、12か月後にアンケート調査を実施し、プログラム開始前後の尺度得点の1年間の変化について評価する。さらに、小児1型糖尿病患者の「血糖コントロール」「糖尿病自己管理行動」「自己効力感」「メンターおよびメンティーとの親密性」の各変数間の関係を明らかにする。 糖尿病教育プログラムの評価については、専用ホームページに掲載された小児1型糖尿病の知識や情報提供に関するコンテンツとメンタリングに関連したコンテンツのアクセス回数などを分析する。また、メンター及びメンティーが記載した相談内容については内容分析を行い、発症初期の小児糖尿病患者の課題の特徴やメンタリングによる支援内容を明らかにする。また、e-メンタリングを用いた糖尿病教育プログラムシステムの利便性、操作性、満足感について、質問紙を用いて自由記述で回答を得て内容分析を行う。また、通信費などのコスト面についても評価する。これらの評価内容をもとに、ICTを用いた糖尿病教育支援モデルを構築する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額と差額が生じた理由は、タブレット型端末(iPad)の通信費を年度にまたがって支払う必要があるため、3月~4月の通信費分を次年度使用額として確保した。
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次年度使用額の使用計画 |
タブレット型端末(iPad)の通信費(3月~4月分)の通信費として使用する計画である。
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備考 |
小児糖尿病教育支援システムは、糖尿病キャンプ中の血糖値、インスリン注射量、運動量、食事量や補食量を入力できグラフ化し閲覧できる。また、糖尿病を持って生活するために生じるいろいろな不安や悩みを、同じ1型糖尿病を持つ仲間や先輩と相談したり、ちょっとした生活の工夫について情報交換できるサポートシステムである。
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