研究課題/領域番号 |
25463476
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
佐々木 規子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 助教 (90315268)
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研究分担者 |
宮原 春美 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (00209933)
森藤 香奈子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 准教授 (70404209)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 一次遺伝相談 / 遺伝看護教育 / 島嶼部・過疎地 |
研究実績の概要 |
本研究は一次遺伝相談の充実のために,島嶼部,過疎地の看護職者のための遺伝教育プログラムを開発すること,教育の継続を図るために看護職者間のネットワーク確立を目指すものとする.平成27年度は計画3「遺伝教育プログラムの開発」として島嶼部看護職の遺伝看護教育のニーズを明らかにするために質問紙調査を実施した.対象は島嶼部看護職で調査用紙は県内島嶼部の18施設650名に配布し,326名から回答があった.そのうち,看護職でない者2名と回答が不十分であった者4名を除き,有効回答は320名(有効回答率49.2%)であった.対象者の職種は,保健師50名(15.6%),助産師14名(4.4%),看護師256名(80%)であった.この調査では,遺伝性疾患の人と関わった経験のある看護職の半数以上が遺伝相談の経験を有していた.このことは島嶼部の看護職は地域住民にとって最も身近な相談相手であり,遺伝医療の中での役割はより大きいと考える.しかし,相談を受けた経験のある者の6割以上がその対応に困っており,その内容は,「知識・情報,社会資源の少なさ」,「経験不足」,「相談先がない」であった.長崎県の医療資源の偏在という特徴は,看護職が抱える問題にも影響を及ぼしていると考えられた. これまでの計画1・2の分析より島嶼部の特徴(地域住民の理解,相談先または情報源としてのネットワークの有無,看護職の知識)と計画3で明らかになった遺伝看護教育のニーズを含め,看護者が遺伝を学ぶ機会や専門機関とのネットワーク体制の確立に向け,検討中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度,計画3遺伝教育プログラムを完成させ,プレテストを実施予定であったが,検討の資料不足と判断し,長崎県島嶼部看護職を対象とした調査を追加実施した.今年度の結果を含め,プログラムの再検討を行っている.
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度の追加調査のデータを加え,計画3遺伝教育プログラムの開発のための検討を進める.
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は看護職者を対象としたプログラムを試行する予定であったが,プログラム完成に至っていない.プログラム検討のための調査を追加し,計画通りの使用に至っていない.
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次年度使用額の使用計画 |
プログラムを完成させ,島嶼部看護職を対象としたセミナーを開催する予定である.
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