研究課題/領域番号 |
25463477
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
永橋 美幸 (荒木美幸) 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 准教授 (10304974)
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研究分担者 |
西谷 正太 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (50448495)
大石 和代 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (00194069)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 妊婦 / タッチング / 胎児愛着 / オキシトシン / 褥婦 |
研究実績の概要 |
1.妊娠、分娩、産褥期の唾液中オキシトシンの推移と心理測定値(不安、愛着尺度)との関連について、2.妊娠期の胎児愛着形成促進法によるオキシトシンの変化をみることで妊娠期の胎児愛着形成促進に有効な方法を実証することを目的に研究を行った。 産褥早期の初産婦において、授乳を行った際に分泌される唾液OXTの値は、授乳時間に関係なく、最低でも授乳終了後30分後までは、持続することが分かった。加えて、授乳が一時的に気分、感情面に良い影響を与えたことから、授乳によって分泌されたOXTが褥婦の精神面に影響した可能性が示唆された。さらに,妊娠末期の初産婦において,腹部へのタッチング刺激はオキシトシン放出と関連すること、また必ずしも腹部へのタッチングを行う頻度だけでその妊婦の胎児への愛着を測ることができるとは限らず,妊娠に至るまでの過程や妊婦の心身の状態,家族関係などを総合的にアセスメントする必要があることが示唆された。妊娠中期の初産婦において、記録を1週間つけることで,胎児の反応やかかわりを振り返ることができ,胎児の存在意識が高まり,胎児愛着や唾液中OXT濃度が高くなることが示唆された。したがって,助産師は記録を促すなど,妊婦が日常生活の中で胎児の反応の知覚やかかわりを振り返り,胎児への意識を高めるような支援が必要である.具体的な介入方法としては,日々の胎児へのかかわりを日記につけること,1日数回,食後や寝る前などに,胎児へのかかわりをゆっくりと振り返る機会を作ることを促すことだと考えられる.これらの介入により,胎児を意識することは,妊婦の母親役割獲得の促進,胎児への愛着形成,産後うつ発症の予防へとつながる可能性が示唆された.
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