研究課題/領域番号 |
25463483
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研究機関 | 群馬県立県民健康科学大学 |
研究代表者 |
行田 智子 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 教授 (20212954)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 親となる過程 / 育児期 / 子育て / 親発達 / 家族看護 |
研究実績の概要 |
【目的】妊娠期に2週間以上入院となった夫婦の妊娠期及び育児期の親になる準備性と育児力の査定と支援を行い、アセスメントを含むプログラムについて検討する。【方法】1.対象は初産婦夫婦7組、経産婦夫婦3組であった。2.面接と支援は家庭訪問にて60分前後行った。3.調査内容は育児状況、新版STAI、不安や心配、子どもや親になることへの思いや考え、夫婦関係や周囲の支援、子どもの発達等であった。4.支援は夫婦が望む情報提供や月齢に応じた関わり方等であった。STAIは得点、その他の面接内容は質的に分析した。【結果】1.対象の平均年齢は妻31.2歳、夫32.9歳。出産後、児がNICUに入院した夫婦は6組であり、早産は5組であった。早産で生まれた子どもの発達は、修正月例相当であった。2.STAIによる育児期の不安の平均点は産後1か月が最も高く、その後生後1年まで減少した。3.母親の思いは、1か月『子育ては生活の中心であり頑張る』、4か月『子育てと家事を頑張っている』、8か月『子育ては楽しく大変』、12か月『子育ては自分を見つめ成長するもの』等のカテゴリであった。父親の思いは1か月『仕事を頑張る』、4か月『育児は自分が出来ることをする』、8か月『育児で出来ることが増え父親として成長を実感』、12か月『育児により優しく寛容になる』等であった。育児で楽しいことは、4か月『人に反応し目で追ったり話したりする』、8か月『話を理解出来るようになり感情が豊かになった』、12か月『反応を見ながら一緒にいる時間』等であった。育児で大変なことは、4か月『子供がすぐ起きて寝不足で疲れがある』、8か月『小さく生まれたためか離乳食が進まない』、12か月『離乳食が思うように進まない』等であり、経産婦では『上の子の子育て』などであった。今後、生後1歳半までの育児期の分析と支援の効果及びプログラムの検討を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成28年度には妊娠期に長期入院が予想される夫婦への親となる過程の支援予定の10組に達した。ご協力頂いている夫婦10組は妊娠期から育児期の支援を行い、7組は終了しているが、3組は育児期の支援中であるため。
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今後の研究の推進方策 |
平成26~28年度からの調査協力者3組について引き続き育児期の支援を行う。 夫婦10組のこれまでの面接内容を質的に分析し、妊娠期に長期入院が予想された夫婦の親となる過程における夫婦の心理・社会的変化を明らかにする。STAIの変化や子どもの成長発達、実施した支援の効果についても分析し、妊娠期からの支援プログラムを検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査協力者夫婦3組の育児期の支援中であり、調査が終了していないため。
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次年度使用額の使用計画 |
調査協力者夫婦3組の育児期の支援を行い、夫婦10組のデータをまとめ、プログラムを検討する。
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