研究課題/領域番号 |
25463486
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研究機関 | 東京医療保健大学 |
研究代表者 |
橋本 美幸 東京医療保健大学, 看護学部, 准教授 (70513183)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 子育て支援 / 家庭訪問 / 訪問員育成 / 職業ストレス / 育児不安 / 訪問時期 / サービスの質 |
研究実績の概要 |
医療・福祉の専門職訪問者・支援者(以下、支援者)が提供するサービスの質の確保を目的とし、職場における支援者への支援環境(管理的機能、教育的機能、情緒的支援機能を持つスーパービジョン・ケースカンファンレスの有無)について調査を行ってきた。職場における支援状況を、支援者の経験年数別に示した。経験年数が長い支援者の方で、有意にスーパーバイザーのいない人が多かった。経験3年以下(r=0.53, p<.05)と経験4~9年(r=0.46, p<.01)の支援者では認められた職場の仲間・同僚との関係性満足とストレス(共感ストレス:Figley)との関連が、経験10年以上の支援者では認められなかった。 同じ職場であっても経験年数の長さで支援状況が異なることが考えられた。経験年数が長い支援者は指導者的役割を務めることが多くなり、職場内では支援を受けにくい環境にあると思われる。経験年数が長い支援者がどのような支援を期待しているのかについて調査していく必要がある。 家庭訪問のマニュアル作成に向けては、母親の不安の高い時期を家庭訪問のニーズが高い時期と考え、出産後30日まで、31~60日、61日以上と3時期の母親1157人の家庭訪問を受ける前の不安(STAIの状態不安)を比較した。不安が最も高かったのは、初産では出産後30日であり、その後も各時期の不安が有意に減少していた。経産では、3時期の母親の不安に有意な差はなかった。初産の家庭訪問のニーズが高い時期として、出産後できるだけ早い時期が示唆された。経産のニーズを明らかにするために、さらに分析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
家庭訪問のマニュアル作成ための分析(調査Ⅱ)を進めているが、やや遅れている。 家庭訪問の質を確保するための市区町村の仕組みの現状調査(調査Ⅲ)については、母子への家庭訪問を行っている看護職を対象に再調査を開始し、現在調査継続中である。全国の市区町村に調査協力を得ながら進めているため、時間を要しているが、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
調査Ⅲの母子への家庭訪問を行っている看護職を対象にした調査を、7月頃まで行う予定である。その後、分析を進める。 調査Ⅱの家庭訪問のマニュアル作成の分析については、大学内の人的環境が改善されつつあるため、遅れながらも進めていけると考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた主な理由は、家庭訪問の質を確保するための市区町村の仕組みの現状についての再調査(調査Ⅲ)を行うため、期間延長を申請したためである。 2017年2月より再調査を開始し、2017年7月頃まで調査を予定しており、調査に必要な予算と成果発表に要する予算を残した。
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次年度使用額の使用計画 |
調査に必要な郵送費、アンケート配布やデータの整理のための人件費、対象者への謝礼品の購入、交通費などとして使用予定である。また、家庭訪問のマニュアルとしての結果報告書の作成費として使用する予定である。
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