きょうだいを亡くした子どもへのグリーフケアの早期介入プログラムに関する研究

2013 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 25463493
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 研究機関: 長野県看護大学
• 研究代表者: 竹内 幸江 長野県看護大学, 看護学部, 准教授 (00311902)
• 研究分担者: 山下 恵子 松本短期大学, その他部局等, 講師 (70442168) ; 内田 雅代 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (70125938) ; 白井 史 長野県看護大学, 看護学部, 助教 (30420699) ; 高橋 百合子 (大脇 百合子) 長野県看護大学, 看護学部, 助教 (00438178) ; 太田 克矢 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (60295798)
• 研究期間 (年度): 2013-04-01 – 2016-03-31
• キーワード: 看護学 / グリーフケア / きょうだい

研究概要

本研究は、きょうだいを亡くした子どもへのグリーフケアを、介入時期、子どもと親の援助ニーズ、支援体制に必要な要素を明らかにすることで、具体的に運用できるグリーフワークプログラムを作成し、その効果について検討することを目的としている。平成25年度は、グリーフケアのあり方を検討するため、過去の調査結果の整理、文献検討、そして予備調査を実施した。
子どもを亡くした親を対象に、一昨年度実施した調査結果から、どの親も、子どもを亡くした当時は自分自身のことで精一杯で、きょうだいのことを気にかける余裕もなかったと振り返っており、そのことを負い目に感じている親もいた。できれば、その時期に親以外の第三者が子どもの気持ちを聞いたり、サポートしてほしいとの要望も出された。そして、親が参加しない子どもだけのサポートグループの方が、子どもも気持ちを表現しやすいのではないかと思っており、そのようなサポートグループができることも望んでいることがわかった。そのことを踏まえ、予備調査として、子どもを亡くした家族を対象としたパネル展を自助グループの親の会と共同開催し、そこで討論された内容について分析を行った。パネル展では、東日本大震災で多くの子どもが犠牲となった石巻市立大川小学校の被害者児童の両親と、交通事故で子どもを亡くした母親をパネリストとして、理不尽な状況でわが子を亡くすこととなった親の痛みや苦しみについて話し合った。闘病生活を得て亡くなった子どものきょうだいへのグリーフケアとして、闘病時期からの介入の必要性は示唆されているが、不慮の事故によってきょうだいを亡くした子どもへのグリーフケアのあり方については、両親に死を受け止める余裕がない分、どのように介入していくのかが課題として見出された。このことを受け、様々な状況できょうだいを亡くした子どもへのケアについてさらに調査、検討を行うこととした。

現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

一部調査を除き、おおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

平成26年度は、現在、国内で子どもへのグリーフワークを実施している施設あるいは団体の代表者に、グリーフワークの内容、介入時期、介入方法、運営方法などについて面接による調査を行う。また、引き続き、きょうだいを亡くした子どもと家族を対象に面接調査を実施する。これらの結果を踏まえ、グリーフワークに向けたパンフレットの作成準備を行う。

次年度の研究費の使用計画

一部の調査ができず、調査旅費と謝金の余剰が発生した。
謝金として15,000円　残金は調査旅費にて使用する。