研究課題/領域番号 |
25463497
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 三重県立看護大学 |
研究代表者 |
二村 良子 三重県立看護大学, 看護学部, 准教授 (30249354)
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研究分担者 |
永見 桂子 三重県立看護大学, 看護学部, 教授 (10218026)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 助産師 / OSCE / シミュレーション / 新人看護職員研修 / 臨床能力 |
研究概要 |
新人助産師研修において、シミュレーション教育の一連の過程を取り入れ、さらに新人助産師の臨床能力把握としてOSCE(Objective Structured Clinical Examination:客観的臨床能力試験)を用いた評価を行う。それらの実施により、新人助産師の課題を明確にし、臨床能力向上を目指すための研修プログラムの開発を目的とする。 本年度の研究実施計画は、1)<シミュレーション教育等の研究に関する文献収集し、研究動向の把握>:医学中央雑誌を用い、「シミュレーション教育」、「看護」を検索ワードとし検索した結果、2000年から2013年までに123件あった。その内、原著論文は28件であり、方法の検討およびシミュレーションを用いた効果と課題、シミュレーション実施プログラム開発の研究が行われていた。2)<国内外のシミュレーション施設のスタッフに新人助産師研修へのシミュレーションの活用とその課題、シミュレーション教育の実態把握のためのインタビュー実施>:当初、2)の実施について予定していたが、上記1)の研究実施により、シミュレーション教育等の実態等については把握できたと判断し、割愛した。3)<病棟管理者等にインタビューを行い、新人助産師が修得すべき技術や臨床能力および現状について把握し、シミュレーション実施におけるシナリオ作成に活用する>:インタビュー結果において、新人助産師の臨床能力の特徴と課題を把握し、その特徴に合わせた研修計画を考える必要があることが明らかになった。そこで今回、新人助産師の臨床能力の特徴を明らかにするために、新人助産師と熟達助産師の両者にOSCEを実施し、OSCE実施内容の詳細な検討により、新人助産師へのシミュレーション実施のポイントを明確になった。次年度以降、これらの結果を踏まえて、シナリオ作成およびシミュレーション実施を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初、国内外のシミュレーション施設のスタッフにシミュレーションにおける新人助産師研修等への活用とその課題についてインタビューを行い、シミュレーション教育の実態を明らかにするという計画であった。しかし、シミュレーション教育や卒後プログラム等に関する文献を収集し、研究動向を把握するということで概ね実施目標は到達したと考え、平成25年度に実施予定であったインタビューについては割愛した。また、病棟管理者と新人助産師にインタビューを行い、新人助産師が修得すべき臨床能力を把握し、シミュレーション実施におけるシナリオ作成であった。一部方法の変更を行い、新人助産師と熟達助産師に実施したOSCEの録画分析とインタビュー分析に基づき、シナリオ作成の視点を明確にすることはできたが、シナリオ完成には至っていない。したがって、分析結果より明確になったシナリオ作成にあたってのポイントに基づき、シナリオを作成し、平成26年度にシミュレーションを実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度に実施したOSCEの場面の分析結果に基づき、平成26年度にシミュレーションを実施するために、シナリオおよびデブリーフィングの内容等を検討する。年度末には新人助産師を対象にシミュレーションを実施するために、研究分担者および研究協力者とともにシナリオの作成を9月までに完成する。シナリオ作成、シミュレーション実施にあたって、研究分担者および研究協力者とともにシミュレーション教育における指導の基本(概念、デブリーフィング、評価等)を修得できるよう、国内外で開催されるシミュレーション教育に関するセミナー等への参加や独自の学習会を開催するなど準備を行っていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初、国内外のシミュレーション施設の視察およびシミュレーション施設のスタッフにシミュレーションにおける新人助産師研修への活用とその課題についてインタビューを実施し、シミュレーション教育の実態を明らかにするという実施計画であった。しかし、シミュレーション教育、卒後教育プログラム等に関する国内外の研究に関する文献収集、研究動向を把握することで、本来の実施目標が概ね達成できたため、これらの実施計画について割愛した。したがって、シミュレーション施設訪問等に関する費用がほとんど使われていないことにより、次年度使用額が生じた。 今年度、シミュレーション実施にあたって、国内外のシミュレーション教育におけるセミナー等に研究分担者、研究協力者とともに参加し、シミュレーション教育における指導の基本(概念、デブリーフィング、評価等)について修得するために、旅費および参加費等に使用予定である。また、シミュレーション実施にあたって、より実際の臨床場面が再現できるよう工夫を行いながら、場面設定を行うので、それらにかかる物品費の使用を予定している。
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