研究課題/領域番号 |
25463500
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 神戸市看護大学 |
研究代表者 |
内 正子 神戸市看護大学, 看護学部, 准教授 (20294241)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 慢性疾患 / 幼児 / 身体状況 / ケアモデル / 家族 / 協働 |
研究概要 |
今年度は、ケアモデル開発に向けての研究協力者の整備を行った。慢性疾患をもつ幼児への看護経験者である臨床看護師に依頼を行った。研究協力者と関連のある学会に参加し、情報収集とともに討議を重ねた。また、慢性疾患をもつ幼児の身体感覚についての概念構築の検討について行った。 「慢性疾患」「幼児」「ケアモデル」をキーワードに文献検索を行った結果、国内においては、本研究の目的に合った文献は見当たらなかった。看護師は慢性疾患をもつ幼児へのケアの必要性を感じているが、ケアモデルが不足しているという認識を明らかにした文献がみられた。洋文献を検討した結果、幼児期における慢性疾患をもつ子どものケアモデルとして、「partnership」を主概念とするCasey’s Modelなどが散在した。これらのモデルの要素として、家族への健康に関連した教育が中心であり、ケアの内容として『インフォメーション』『コミュニケーション』『交渉』が含まれていた。さらに、他職種との連携も重要であることが示唆された。和文献についても「partnership」のキーワードを追加して検討を行った。その結果、以下の示唆を得た。慢性疾患をもつ幼児の家族は、通常の成長発達に関する育児の課題に加えて、子どもの病状管理や悪化時の対応に気がかりをもっており、子どもの身体状況にとまどっていた。それに対して医療者は直接的ケアだけではなく、成長発達など育児についての援助や同じ疾患をもつ親の会などの情報提供、他職種との調整、家族内の調整を行っていた。また、その際には、家族とのコミュニケーションを心がけており、訴えやすいように話しかける、子どもと親の関わりを観察するなどの方略もみられた。さらに、慢性疾患の知識について、特に外来における看護師の知識の向上の必要性についても示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初、予定していた研究協力者の職場異動により、協力の承諾を得ることが困難になった。 予定していた協力者数を得ることができなかったため、予定していた合同会議を開催することが難しかった。 そのため、ケアモデルの情報収集のために予定していた病院や関連機関への視察を実施することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
研究協力者数を増やすため、引き続き協力の依頼を行う。 また、実施できなかった視察に関して、協力者との会議を頻回に行い、調整し早い時期での実施を予定する。
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次年度の研究費の使用計画 |
慢性疾患をもつ幼児のケアモデルについて先駆的実践を行っている海外の病院や関連機関への視察が実施できず、次年度に持ちこすことになった。視察のための旅費と視察に伴う備品や謝礼などを支出することができなかった。 海外の病院や関連機関への視察については、早急に調整を行い、次年度の早い時期に実施する予定である。
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