ケアモデル作成のために、モデルの構成要素について検討をした。急性期を脱して症状が出現していない場合、幼児自身は自身の身体状況において長期的な見通しをもつことが認知発達上不可能である。しかし、養育者は疾患の知識を獲得していく中で、将来の予測をしながら子どものセルフケアを充足していっている。それが故に、養育者は時には過剰に先を見越して子どものセルフケアに関わることがあり、それがストレスになる場合がある。ケアモデルの要素には、医療者と幼児のセルフケアを充足させる養育者との協働が欠かせない。養育者との協働を保証するためには、ケアに関する情報、養育者とのコミュニケーションと交渉が重要であることが明らかになり、看護職はコミュニケーションスキル、交渉スキル、家族についての知識、特にFamily-Centered Careの理解を備える必要性が示唆された。 また、教育やマネージメントについて、一般スタッフとは違う立場の看護師が必要であった。慢性疾患の場合、入院中の症状コントロールは短期に可能になり、多くは外来での定期フォローになる。その場合、外来看護師が養育者の意見を受け止めることや多職種との連携の難しさに直面している。それを改善するために、一般スタッフとは違う立場の専門看護師や病棟からのスタッフなどを導入している病院が増えてきている。 ケアモデルには症状コントロールに関する服薬などに対するケアは必須であるが、セルフケアを支えるシステムについての内容を含めていくことが重要である。さらに、幼児という成長発達段階から子どものセルフケアを支援していくためには、特に環境の要素について、多職種との連携が必要であり、多職種からの意見を取り入れた要素を含める必要性が示唆された。
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