研究課題/領域番号 |
25463501
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研究機関 | 神戸市看護大学 |
研究代表者 |
二宮 啓子 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (50259305)
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研究分担者 |
内 正子 神戸市看護大学, 看護学部, 准教授 (20294241)
山本 陽子 神戸市看護大学, 看護学部, 助教 (60622553)
市之瀬 知里 神戸市看護大学, 看護学部, 助教 (50635753)
勝田 仁美 岐阜県立看護大学, 看護学部, 教授 (00254475)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 医療的ケア / 特別支援学校 / 看護師 / 支援システム / 教諭 / 認識 / 連携 |
研究実績の概要 |
平成25年度に特別支援学校における医療的ケアへの支援体制と看護系大学等との連携の実態を明らかにすることを目的に、指導主事、特別支援学校看護師、教諭、養護教諭を対象に質問紙調査を実施した。平成26年度にその調査結果について分析を行うと共に、実態の詳細を把握するために看護師へのグループインタビュー調査を実施した。さらに、看護協会、看護系大学への質問紙調査を実施した。 指導主事の調査結果から、教諭が医療的ケアを実施していたのは61.3%で、そのうち63.2%が基本研修を教育委員会で開催し、指導看護師を配置していることがわかった。医療的ケアの必要な平均児童生徒数は14.5名で、医療的ケアを看護師のみが実施47.2%、看護師以外も実施52.2%であった。新制度による変化として、養護教諭は、教諭の児童生徒の身体変化の捉え方が良くなった、看護師の責任感が強くなった、看護師と養護教諭の役割分担が明確になった一方、事務作業の増加、看護師や教諭の負担の増加等を挙げていた。また、教諭は、看護師の仕事量の増加、手続きに時間がかかること、事務作業の増加等とともに、医療的ケアを教諭が実施していない学校では、医療的ケアを実施できないことへのもどかしさを挙げていた。 新制度により状況や役割が変化した看護師は32.7%で、そのうち業務量の増加が84.6%、その内容は、教諭への研修、医療的ケアの実施、書類の手続きであった。看護師は、サポートを十分得られている10.7%、まあまあ得られている65.4%、あまり得られていない20.1%と答え、看護協会や看護系大学に期待することとして、相談・助言、研修会の開催、雇用や労働条件等を挙げており、看護師の大半が非常勤職員であるために十分な支援が得られていないことが考えられ、校内だけでなく看護系大学や関連団体との協働を含めて看護師への支援体制を構築していく必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度に予定していた看護協会、看護系大学への質問紙調査の実施・回収が終わり、データ入力を行っており、ほぼ研究計画書通りに進んでいる。 また、平成25年度に実施した特別支援学校の看護師、教諭、養護教諭の調査結果については、平成27年6月と7月に開催される2つの学術集会で5演題を発表することになっている。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画書に従い実施する。 看護系大学教員、及び都道府県看護協会医療的ケア担当者への質問紙調査から得られたデータを入力し、分析する。また、本研究全体の成果を統合し、教諭が一部を担当しながら指導看護師が中心となり実施する医療的ケアへの支援のための連携モデル案を提示する。 本研究の成果を国内外の小児保健・看護系学会に発表すると共に、論文にまとめる。 最終年度のため、研究成果をまとめて研究成果報告書を作成する。研究に協力していただいた施設をはじめ、文部科学省初等中等教育局特別支援教育課、都道府県並びに政令指定都市の教育委員会、全国の特別支援学校、都道府県看護協会、並びに全国の看護系大学に研究結果を活用してもらえるように研究成果の概要を郵送する。
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次年度使用額が生じた理由 |
看護協会へのアンケート調査、並びに看護系大学へのアンケート調査のデータ入力作業が予定よりやや遅れ、それにかかる費用が次年度払いになったこと、研究成果について発表する学術集会が次年度になったことから、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
看護協会へのアンケート調査、看護系大学へのアンケート調査のデータ入力のための費用として使用する。 研究成果の発表を国内学会、国際学会の学術集会で行うため、参加費、旅費に使用する。また、国際学会に研究成果を発表するため、翻訳料が必要である。 研究成果報告書を作成し、文部科学省初等中等教育局特別支援教育課、都道府県等の教育委員会、全国の特別支援学校、看護系大学、看護協会に郵送するための印刷費、郵送料等に使用する。
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