研究課題/領域番号 |
25463502
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 岡山県立大学 |
研究代表者 |
岡崎 愉加 岡山県立大学, 保健福祉学部, 准教授 (50224001)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 思春期 / 性 / 子育て支援 / 座談会 / 保護者 |
研究概要 |
平成25年度は、思春期の性に関する子育て支援プログラムとして実施した座談会で得た正しい知識や情報の保護者間伝達を促進する方策について検討するため、伝達を困難にしている要因、伝達を促進する要因、具体的な伝達方法について明らかにすることを目的としてグループインタビューを実施した。研究参加者は、座談会に参加経験のある母親15名(3グループ)である。その結果、伝達を困難にしている要因は「日常生活の中で座談会のことを話す機会がない」「座談会で聴いた内容を正確に伝える自信がない」等であった。伝達を促進する要因は「友人などに子どもの性に関することで心配事がありそうな時」「参加して良かったと思える」等であった。具体的な伝達方法としては「資料があれば話しやすい」「座談会が定期開催であれば誘いやすい」等があった。以上より、保護者間伝達のみでは座談会の内容は伝わりにくく、パンフレットのような資料を作成し配布しながら伝えていく方策が必要であること、また、座談会の定期開催も検討する必要があることがわかった。 この研究成果をもとに平成26年度から研究協力校で実施する支援プログラムとして、座談会は個人懇談など保護者が学校に来る機会を利用して数回実施すること、座談会で伝える内容をパンフレットにすること、より多くの保護者に思春期の性に関する子育てについて関心をもってもらうために、中学校養護教諭やPTA(保健委員会)と連携して講演会を実施することを計画した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度の座談会開催に関して、協力を依頼していた中学校の保護者との調整が難しく座談会開催回数が1回となった。それに伴い、座談会後のグループインタビューも1回しかできなくなったため、グループインタビューの対象を平成24年度に実施した座談会に参加した保護者(座談会の内容は平成25年度開催と同じであるため、研究参加者の条件としては問題なし)を加えて実施した。そのためにデータ収集時期が当初計画より遅れた。また、平成26年度から本格的に支援プログラムを実施するにあたり、協力校として新たな立候補があり、協力校の選定、協力校との研究計画の調整に時間を要した。また、平成26年度に計画していた新入生保護者を対象としたアンケート調査に関して、協力校との打ち合わせの結果、入学式当日保護者に直接配布の運びとなったため、その準備が平成25年度に早まった。そのため専門家へのインタビューを平成26年度以降に変更した。 このような状況からはじめはやや遅れ気味ではあったが、研究協力校ならびに連携する養護教諭も決まり、平成26年度実施予定のアンケート調査も順調に開始できることから、おおむね順調とした。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、中学校入学時アンケート調査により、思春期の性に関する子育ての現状と保護者の意識、保護者に必要な支援について明らかにする。思春期の性に関する子育て支援プログラムとして、座談会を3回と講演会を1回開催し、評価する。前述のアンケート調査結果や平成22~24年度に科学研究費補助金を受けて実施した研究(思春期の子どもの性に関する発達課題や諸問題に対応できる子育て支援システムの構築)の成果をもとに、養護教諭や医師らと連携し、保護者向けの思春期子育て支援パンフレットの作成を開始する。また、思春期の性の諸問題や性教育に関わり全国各地で活動をしている専門家へのインタビューを開始する。 平成27年度は、作成したパンフレットを用いた介入と評価、思春期の性の諸問題や性教育に関わり全国各地で活動をしている専門家へのインタビューを継続し成果をまとめる。 平成28年度(最終年度)は、平成26年度入学生の保護者を対象としたアンケート調査、子育て支援策として実施した座談会に参加した保護者へのインタビュー等により、支援プログラムの評価を実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究協力校(中学校)との調整の関係で、平成25年度に計画していたグループインタビューの時期が遅くなった。また、平成26年度に計画していた新入生保護者を対象としたアンケート調査について、協力校との打ち合わせの結果、入学式当日保護者に直接配布の運びとなったため、その準備が平成25年度に早まった。これらの理由で、当初計画していた思春期の性の諸問題や性教育に関わり全国各地で活動をしている専門家へのインタビューが実施できず、それに関連した旅費や謝礼、逐語録作成費や物品購入費を使用しなかったことが主な理由である。 平成25年度に使用できなかった金額は、思春期の性の諸問題や性教育に関わり全国各地で活動をしている専門家へのインタビューが実施できなかったためであり、研究計画の変更により平成26年度に使用する。平成26年度の使用計画の変更はない。
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