研究課題/領域番号 |
25463502
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研究機関 | 岡山県立大学 |
研究代表者 |
岡崎 愉加 岡山県立大学, 保健福祉学部, 准教授 (50224001)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 思春期 / 性教育 / 子育て支援 / パンフレット / 保護者 / 多職種連携 |
研究実績の概要 |
思春期の性に関する子育て支援プログラムの一環として、これまでの研究成果を基に思春期の子育てパンフレットを作成した。所属大学倫理委員会の承認(16-71)を得た後の平成28年12月、支援プログラムを3年間実施したA中学校の全保護者770人に、パンフレットと無記名自記式質問紙を配布した。回収347人(回収率45.1%)の内、不備を除いた334人を分析対象として単純集計した。 対象者の平均年齢は43±4.8歳、母親96.1%、父親3%、祖母0.9%であった。パンフレットをすべて読んだ18.6%、大体読んだ43.1%、気になるところだけ読んだ13.2%、パラパラ見た24.3%、読まなかった0.9%であった。パンフレットの内容について、良いは、思春期の性に関する子育てポイント47.6%、相談できるところの紹介46.4%、思春期の子育てに役立つ知識:避妊43.4%の順に多かった。どちらかと言えばよいは、思春期の子育てに役立つ知識:性行動の現状と悩み51.8%、思春期の性に関する子育ての実態48.8%、思春期の子育てに役立つ知識:LGBT47.3%の順に多かった。パンフレットを見せたい人は、思春期の自分の子ども62.3%、子どもの父親または母親52.4%、子育てをしている友人19.8%の順に多かった。子育てに役立つと思うかでは、まあ役立つ55.1%、とても役立つ31.7%、どちらとも言えない12.3%であり、役立たないはいなかった。もっと詳しく知りたいと思った内容は、家庭での子どもへの教え方(対応の仕方)41.6%、思春期男子のこころの特徴32.6%、思春期女子のこころの特徴27.8%の順に多かった。 支援プログラムの講演会や座談会に参加できなかった保護者への支援と、参加した保護者がその内容を思春期の子育て中の人に伝えやすくするというパンフレット配布の効果は得られたと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
支援プログラムの対象となる中学生の保護者の実態を明らかにすること、実施した座談会や講演会の評価をして支援策の改善を図ることについては順調に進んだ。しかし、学部教育で担当している助産学実習Ⅱの分娩介助経験例数が実習期間内に到達しなかったため、5週間の延長実習を行ったことから、思春期の子育てパンフレットの作成が遅れた。また、パンフレットの評価を行うための研究実施に必要な倫理審査や関係各所との調整等の準備にも想定以上の時間を要した。その結果、保護者の評価の一部と保護者の次に実施した教職員の評価について、年度末までに成果をまとめることができなくなった。以上より、遅れていると自己評価した。
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今後の研究の推進方策 |
思春期の子育てパンフレットの保護者評価と教職員評価をまとめる。これまでの研究成果発表や開発してきた支援プログラムを発展させるための情報収集等を目的に、3年毎に開催される国際学会や専門家の集まる国内学会に参加する。連携しているA中学校での3年間の介入は終了したが、平成29年度はA中学校の属しているB市内の小学校・中学校の養護教諭と連携して、希望する保護者を対象に思春期の子育て講演会を計画している。講演会に参加した保護者を対象として無記名自記式質問紙調査を行う。研究期間すべての成果を報告書にまとめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画が当初の予定通りに進まず、1年間の延長が必要になった。研究成果の発表や開発してきた支援プログラムを発展させるための情報収集等を目的に、3年毎に開催される国際学会や専門家の集まる国内学会に参加する。思春期の子育て講演会に参加したB市内の小学校・中学校の保護者を対象として無記名自記式質問紙調査を行う。研究期間すべての成果を報告書にまとめる。以上の研究計画遂行のために研究費が必要である。
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次年度使用額の使用計画 |
研究成果発表や情報収集等に関する国内外の学会への参加費と交通費等:約40万円。研究データ収集やデータ入力等に伴う謝礼と交通費等:約10万円。データ分析等に必要なPC関連器機等:約15万円。報告書作成費:約10万円。
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