平成28年に思春期の性に関する子育て支援策のひとつとしてパンフレットを作製、保護者に配布し評価を得た。より良い支援策への示唆を得る目的で、平成29年2月、連携中学校全教員74人にパンフレットを配布し、無記名自記式質問紙調査を実施した。回収57人中不備を除く55人を分析対象とした。対象者の平均年齢は41.1歳、女性56.4%・男性43.6%であった。パンフレットをすべて読んだ教員は7.3%と少なく、大体読んだが最も多かった。性教育に関わった者が6割強いたことから、知らないところのみ読んだと考えられる。内容で高評を得た「思春期の性に関する子育てポイント」と「相談できるところの紹介」は、保護者評価でも高評を得ていた。保護者が最も詳しく知りたい「家庭での子どもへの教え方」は、教員も専門家から保護者に最も知らせて欲しいと思う内容であった。以上より「思春期の性に関する子育てポイント」として「家庭での子どもへの教え方」についての内容をより詳しくすること、「相談できるところの紹介」など困った時に活用できるような改訂が必要であることが示唆された。次に、平成30年3月、これまで支援策として連携中学校で実施した講演会を地域で実施した。参加したA市立小・中学校児童生徒の保護者20人を対象に無記名自記式質問紙調査を行った。回収した19人を分析対象とした結果、「思春期の子育てポイント」の内容を高く評価し、63.2%の保護者がもっと詳しく知りたいと思っていたことから、今後は「思春期の子育てポイント」を中心に、講演内容の構成を考える必要がある。また、8割近くが「思春期の子育てに役立つ」と思っていたが、開催時期の評価は5.3%と低く、参加者数は少なかったことから、参加しやすい時期を考える必要がある。「配布資料は役立つと思った」が6割を超えていたことから、作製・配布したパンフレットの効果は期待できると考える。
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