研究課題/領域番号 |
25463503
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
松森 直美 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 教授 (20336845)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 小児看護 / 小児看護ケアモデル / 倫理的看護実践 / 介入プログラム / ドイツ / 海外との比較分析 |
研究実績の概要 |
1.小児看護ケアモデルを活用した介入プログラムの実施と成果 小児看護の医療処置場面の中で倫理的な看護実践を具体的に表記した小児看護ケアモデルを活用し、小児医療に携わる看護師への介入プログラムを延べ13回実施した。対象者32名に行い、22名に対して3か月後までの調査を行い、成果を分析した。その結果、倫理的な看護実践の4項目の実施頻度が有意に増加し、質的な事例分析においても、子どもに説明することが増え、子どもの主体的な行動と家族の子どもを励ます言動が増えたことが確認できた。3カ月後は【子どもにわかりやすく説明するようになった】、【声かけが改善した】などの看護実践の変化は行動のアウトカムの4つの視点に該当していた。【子どもが協力的になり処置や関わりがスムーズになった】、【子どもが納得して自律して処置を受けることができるようになった】、【家族の子どもに対する関わりが改善した】といった子どもや家族の反応の変化は、最終的な目標としていた「子ども・家族の積極的な意思決定過程への参加」、「子どものコーピング能力・統制感の促進」、「スタッフとの信頼関係の構築」という3つの視点のいずれかに該当し、効果の持続性が確認できた。 今後は、看護系の学会等で公表し、教育機関における公開講座や医療施設での院内研修など幅広い対象者に対して実施できるよう介入プログラムの普及を目指したいと考える。 2.ドイツとの共同調査 ドイツ・アーヘン応用科学大学のマイケル・イスフォルト教授にコンタクトをとり、調査用紙を送付したが、実際の調査には至っていないため、今後、あらためて連絡をとり、ドイツにおける医療処置場面の倫理的な看護実践について把握し、国内の状況との比較分析を行いたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
小児看護ケアモデルを活用した介入プログラムは順調に実施でき、成果を明らかにすることができたが、ドイツにおける海外調査は実施することができていないため、今後は先方と連絡を取り進展を図りたいと考える。
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今後の研究の推進方策 |
1.小児看護ケアモデルを活用した介入プログラムの成果の公表 1)実施した介入プログラムの成果を論文としてまとめ、看護系の学会等で発表を行った後に論文を学会誌等に投稿し、報告書を作成する。 2.ドイツとの共同調査 共同調査の方法を再検討し、ドイツでの医療処置場面の具体的な倫理的看護実践について面接調査または記述調査を行うことができるようイスフォルト教授とコンタクトをとる。データをまとめ、看護系の学会での公表へ向けて準備を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品を購入依頼をした際の額では次年度使用額は残らない予定であったが、割引等があったため生じたものと考えられる。
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次年度使用額の使用計画 |
物品費に含め使用する予定である。
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