2013年小児看護ケアモデル簡易版の作成と診療所に勤務する看護師への活用、2014年には医療系および看護系学会での発表、海外誌への投稿を行った。2015年にはドイツ・NRWカトリック応用科学大学看護学部イスフォルト教授との情報交換により、ドイツでの活用の可能性を模索した。実際に活用するまでには至らなかったが、今後は、米国、オーストラリアなど他国における小児看護の基礎教育及び卒後教育の実際について情報収集し、本プログラムの発展の方向性を模索したいと考える。 2015~2017年小児看護の経験5年以内の他科経験者や診療所に勤務する看護師を含む看 護師を対象に介入プログラムを考案し実施した。その結果、基本的な倫理的看護実践が改善し、子ども・家族の主体的な行動への変化等の効果を確認することができた。また、他科経験の有無による効果の違いとして、他科経験者は「子どもが泣いても押えつけずに、他の方法で対処する」等小児看護ケアモデルの4項目が有意に改善したが、「挨拶・自己紹介している」は小児看護のみの経験者より実施頻度が低かった。小児看護のみの経験者は「医療従事者同士で検査・処置に関係ないことを談笑しないようにしている」等5項目の実施頻度が改善し、3カ月後の【親との協力が課題である】との記述から親への看護実践に関する課題意識が喚起されていた。したがって、本研究により看護師が行うプレパレーションを含む小児看護ケアモデルの活用として、小児看護の実践経験の浅い看護師の日常的な倫理的看護実践を強化する教育的介入プログラムを構築することができたと考える。 2018年には看護師14名を対象に同様のプログラムを実施した成果を学会等で発表する予定である。さらにがん治療拠点病院の小児がん看護研修会でPNCMを活用した実践例の振り返りを実施した。今後は小児看護専門看護師と連携し継続実施を試みる予定である
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