研究課題/領域番号 |
25463504
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 愛媛県立医療技術大学 |
研究代表者 |
中平 洋子 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 講師 (70270056)
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研究分担者 |
野嶋 佐由美 高知県立大学, 看護学部, 教授 (00172792)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | Family Resilience |
研究概要 |
今年度の目標は、①精神障がい者の家族のFamily Resilienceの特性と獲得方法を明らかにすること、②その結果の洗練化である。 概念分析の結果抽出されたFamily Resilienceの特性である、「家族の楽観的な未来志向」「家族の逆境への意味づけと受容」「家族の自己の能力への信頼」「家族の挑戦・対処」「家族の資源の活用と資源に繋がる力」「家族のゆるぎない拠り所」「家族の調整・統制」を手掛かりに、12家族へのインタビューが終了している。現在、インタビューデータから、Family Resilienceの特性を明らかにしようとしている段階である。 12家族の発病からの経過年数は、10~45年であった。「家族の逆境への意味づけと受容」「家族の挑戦・対処」「家族の資源の活用と資源に繋がる力」は、比較的多くの家族から語られたが、「家族の自己の能力への信頼」は、発病から何十年も経過した家族であっても語られることは少なかった。自己の能力への信頼は、介護経験を重ねるだけで得られるものではないことが明らかになりつつある。また、発病当時に診断名を明確に伝えられなかったことによって、症状軽快とともに服薬を中断し、再発した家族、定期薬をイライラした時にだけ服薬すればよいと理解していたために、症状のコントロールがうまく出来ず苦労した家族が存在していた。Family Resilienceの促進を阻害する要因も明らかになりつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
データ収集の遅延。 現在、6施設に研究協力者の紹介を依頼している。協力の得られた家族は、発病からの経過が10~45年と長く、発病後の経過が短い家族へのインタビューが実施できていない。
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今後の研究の推進方策 |
研究課題の達成には、発病後の経過が短い家族のデータも必要である。現在依頼中の各施設に、再度、経過の短い家族の紹介を依頼する。また、訪問看護を実施している施設や病院家族会を有している施設を中心に、依頼施設数を増やす。 今後は、経過の短い家族のデータ収集と既に集まっているデータの分析を並行して行い、結果を洗練化する。また、エキスパートナースの看護支援方法を明らかにするためのインタビューを準備する。
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次年度の研究費の使用計画 |
データ収集遅延により、データ収集の為の旅費と協力者への謝金が予定通り使用できなかった。 次年度からは、発病からの経過が短い家族のデータ収集、およびエキスパートナースのデータ収集に力を入れる。研究依頼施設数を増やす予定であり、県外でのデータ収集が増えると予測される。次年度使用額を、この費用として使用する予定である。
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