本研究の目的は、「身体感覚活性化マザークラス」のわざを検証し、女性の産み育てる力を高める教育プログラムを洗練・構築する。またこのプログラムを、実践をとおして医療者へ教育することで効果を検証し、妊婦教育プログラムの拡大をはかることである。 平成29年度の実施計画は、以下の4点であった。1)「身体感覚活性化マザークラス」の展開と評価 2)医療者向け「身体感覚活性化マザークラス」セミナーの開催と評価 3)教育用DVD作成 一般向け講演会を開催し啓蒙活動を行う 4)以上の成果の発表 1)第22回「身体感覚活性化マザークラス」in 福岡と第21回の同窓会、昨年初めて開催したマザークラス in 北九州の同窓会を行い、その効果を分析した。その結果、参加当初の出産のイメージが参加後は大きく変容していたことが明らかになった。すなわち、毎回行う胎児との対話、居心地のよい空間で大切にされた経験、氣功で陣痛を受け入れる、さまざまなワークで出産を実感する等、<身体で感じる体験>が大きく影響を及ぼしていた。また食に対する反応も良好で、産後も継続して取り入れていた。以上、身体感覚活性化メニューとそれに対する反応を抽出し、妊婦に与える影響を分析した結果、これまでと同様の結果が認められ、身体や子育てに関する気づきにつながっていることが明らかになった。また北九州でのマザークラスも、福岡と同様の結果が得られ、効果の普遍性が検証された。 2)福岡市において毎年行っている医療者向けセミナー「身体感覚活性化マザークラスの哲学と実践」を4回(福岡県助産師会、宮崎県看護協会、いいお産の日イベント、福岡県立大学)行い、約400名の参加を得、効果も良好であった。 3)成果物としてDVDを作成。市民公開講演を3回(約300名)行い、啓蒙活動を行った。 4)福岡母性衛生学会、日本母性衛生学会等、学術集会で成果を発表した。
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