妊娠期における母親となる自己の再構成に対する対処を明らかにする目的で、妊娠後期の初妊婦を対象に本研究を行なった。妊婦の対処特性は責任受容型が低く、社会探索型が高い特徴が示された。母親役割の同一化(J-PSEQ)の平均値により三群比較したが、どの群も母親となる精神的準備を進めており、三群の違いは進行度の違いであると考えられた。夫との関係は先行研究同様、影響要因であることが確認された。 本研究から、妊婦は母親になることに対処し、母親となる自己を再構成しているが、その進行の度合いは、影響要因と関連し、それぞれ異なること、各測定尺度の結果は測定時点における妊婦の対処状況を示していることが示唆された。
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