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2015 年度 実施状況報告書

はじめて親となる夫婦のメンタルヘルス予防に向けたペアレンティングプログラムの効果

研究課題

研究課題/領域番号 25463518
研究機関杏林大学

研究代表者

佐々木 裕子  杏林大学, 保健学部, 准教授 (80265769)

研究分担者 高橋 真理  順天堂大学, 公私立大学の部局等, 教授 (20216758)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワードペアレンティングプログラム / メンタルヘルス / 妊娠期 / 介入研究 / Web教材
研究実績の概要

今年度は、妊娠期からのペアレンティングプログラム「赤ちゃんの寝かしつけ準備講座」の開発に取り組み、その有用性を検討した。開発手続きは、インストラクショナルデザインのADDIEモデル(稲垣,2013)に準じ、ユビキタスで学習意欲が高まるようスマートフォン、PC、タブレット端末でアクセス可能なWeb教材とし、以下の手順を踏んだ。
【設計】昨年度のニーズ分析結果から赤ちゃんの睡眠や泣きの特徴が説明できるなど6つの学習目標を設定した。【開発】赤ちゃんの睡眠のしくみや泣きの理解、なだめ方や寝かしつけのスキル、カップルのコミュニケーションなどからなる6セッションとした。なお、各セッションとも学習展開は、基礎知識(Ideas)、関連(Connections)、応用(Extensions)の3段階からなるICEモデルで構成し、クイズ形式、状況設定問題、漫画による育児場面の描写等を行い、対象者の主体的な参加を促した。【実施】事前配布のID入力で閲覧できる参加者専用のWebサイトを構築し、2日毎に全6セッションの各案内メールを配信し、学習を促した。【有用性評価】セッション毎に内容のわかり易さ、改善点等、全セッション配信後に、注意(Attention)、関連性(Relevance)、自信(Confidence)満足感(Satisfaction)の4側面で構成されたARCS評価シート(鈴木,1998)を参考に学習のモチベーション評価(12項目)を作成し、リッカートスケール(とてもそう思う5点~とてもそう思わない1点)で評価を求めた。産後1~4ヶ月までの初産の母親・父親7名を対象に全プログラムを実施した結果、本Web教材の有用性は概ね確認できたが、赤ちゃんの月齢や個人差を考慮した内容、表現の工夫などの改善点が課題として示された。
修正した教材を用いて、初産のカップルを対象に調査を開始した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

昨年度のニーズ分析の結果をもとに妊娠期からのペアレンティングプログラムの開発に取り組む中で、4段階の開発の手続きのうち、【設計】までは順調に進んだが、【開発】【実施】に時間を要した。つまり、はじめて親となるカップルが産後の赤ちゃんの泣きや寝かしつけに係る問題に対応するための知識とスキルを主体的に学習することをめざして、スマートフォンやタブレット端末で使用できるWeb教材(6つのセッション)としたことで、参加者専用の教育用サイトを構築する必要があった。また、学習展開を、基礎知識(Ideas)、関連(Connections)、応用(Extensions)の3段階からなるICEモデルで構成したほか、参加者の学習意欲を高めるため、クイズ、漫画、育児スキルの動画等を組み込んでおり、これらの作成にも時間を要した。そのため、その後の【有用性評価】、本調査の開始が遅れたことが研究全体の遅れにつながった。

今後の研究の推進方策

次年度はまず、Web教材の開発とその有用性について、第18回日本母性看護学会(2016年6月)で発表するとともに、論文として投稿する予定である。本研究の目的は、開発したWeb教材による妊娠期からの介入が産後のカップルのメンタルヘルスに及ぼす効果を検証することである。現在、Before and After Study(前後比較試験)による対照研究デザインにより、従来の両親学級を受ける【対照群】、両親学級とWeb教材を受講する【介入群】として順にデータ収集を行っているところである。両群それぞれ40~50組を目標に9月頃までデータ収集を行い、その後、2群間のメンタルヘルスおよび夫婦関係等の比較検討等、介入の効果を分析し、成果をまとめる計画である。

次年度使用額が生じた理由

ペアレンティングプログラムの開発に時間を要したために、介入研究の開始が遅れ、それに必要な謝金等の人件費、および成果発表のための旅費等を使用しなかったため。
また、プログラムの構造の複雑さのために当初予定していたHPの作成が難航したことから、参加者専用の教育用サイトの構築としたためにこれらの経費がかからなかったため。

次年度使用額の使用計画

研究対象者(初産のカップル最大100組)への調査票の郵送費および研究協力者への謝礼、および調査結果の分析等に必要なPC等の器材、分析用ソフト代、研究成果発表に必要な旅費等に使用する。

備考

妊娠期からのペアレンティングプログラム「赤ちゃんの寝かしつけ準備講座」として、6つのセッションからなる教育用サイトを構築した。各セッションの学習には、案内メールを2日ごとに配信し、事前に配布した参加者専用の個別のIDを入力することで閲覧でき学習可能となる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016 その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 妊娠期からのペアレンティング「赤ちゃんの寝かしつけ準備講座」Web教材の開発2016

    • 著者名/発表者名
      佐々木裕子、髙橋眞理
    • 学会等名
      第18回日本母性看護学会
    • 発表場所
      福岡県久留米市
    • 年月日
      2016-06-18
  • [備考] 赤ちゃんの寝かしつけ準備講座

    • URL

      http://parenting-pro.com/no01/,http://parenting-pro.com/no02/,http://parenting-pro.com/no03/,http://parenting-pro.com/no04/,http://parenting-pro.com/no05/,http://parenting-pro.com/no06/

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公開日: 2017-01-06  

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