これまで検討してきた、発達過程に応じた療養行動獲得支援のプログラムについての、評価とプログラムの今後の発展への検討を行った。在宅療養支援ならび病院の病棟・外来ならびに地域支援部門等専門家6名から、プログラムの評価並びに現状に応じた対応とプログラム支援の課題について意見を得た。プログラムの大きな修正は3点あった。①医療的ケアを持つ「子どもの育ち」に目を向けるアプローチをひとつのポイントとして含める。:プログラムは、先行研究の結果から、医療的ケアがある子どもの育ちに視点を持つことができ、経験を語れる家族から協力を得て作成した。しかし、まだ「医療的ケア」に緊張感を持ち、「医療的ケアを必要な子ども」として捉えている家族へのアプローチはあまり考慮してこなかったため、このポイントもさらに含めることとした。ただ、このプロセスだけでも繊細なアプローチが必要であり、今回は、日常生活上の関わりの中に組み込むこととした。子どもの関心や感覚に、家族が関心を持ち、手を出せ関われる内容を加えた。②医療者が気づき、共有し、言語化を増やす:医療者の関わりや診療の中で、家族の変化や子どもの自立への気づきをさらに言語化して家族に伝えること、また家族の気づきを医療者が引き出すことを強化する。家族がどうしたいのかを引き出すための、共有する時間や言語化の時間を確保することを含めた。③特に外来では、短時間の中で子どもの生活や子どもの自立過程について家族や周囲の人との相互の関係について情報収集をとることは意識的に行わないと現状の中では難しい事が多く、現在提案している内容よりさらに定期的な情報収集が簡易に行える情報収集シートの作成を行った。上記に加えて近年の研究文献の結果から、数点の修正を加えて、今回のプログラムを作成した。多くの場への発送・発信には時間が不足したため、研究終了後に行う予定である。
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