研究課題/領域番号 |
25463525
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
望月 千夏子 帝京大学, 医療技術学部, 講師 (10527857)
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研究分担者 |
望月 由紀子 帝京大学, 医療技術学部, 講師 (70440253)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 妊婦の抑うつ |
研究概要 |
「妊婦の不安」について概念分析を行った結果、妊婦の不安は命が誕生したことが根底となっていること、我が子に対する役割を再認識する中で、長期に渡る妊娠期間中、順調な妊娠経過が保証されてないことや、心身の変化に対する認識が影響している。夫や周囲からの心理的サポートが受けられなければ、長期間に渡る妊娠期間中、順調な経過が保証されていないことへの心配は増強するが、夫や周囲からの心理的サポートが受けられれば新たな役割の再認識が促進し、心身の変化によって生じている不安は緩和される。不安が緩和されることにより、安心感や情緒の安定が得られ、母性意識は促進される。そして妊娠や出産に対する理解が促進され、建設的な行動変容が起こる。妊婦の不安はこのようなプロセスを経て変化していくと考えられた。妊娠期の不安は、母親となる準備段階として必要不可欠なものであり、必ずしもすべての不安が心身症を示すものではない。しかし妊娠期間中の不安は、サポートが十分に得られないまま産褥期に移行すると、母親役割の獲得へとスムーズに移行できず、産後うつを発症する可能性が示され、妊娠中の不安と産後うつとの関連性が明らかとなった。「妊婦の不安」は、心理的サポート、社会環境、ハイリスク妊娠の先行要件と情緒の変容、母性意識の変化、建設的な行動、妊娠・出産に対する受容、妊娠継続などの帰結を含むプロセスによって変化していく概念であると定義した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
定義した概念枠組みをもとに、産後うつ病を発症している母親を対象とした自記式質問紙を考案することが不十分な段階である。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究調査では、考案した自記式質問紙に加え、酸化ストレス測定と抗酸化ストレス測定を行う。研究計画立案時、酸化ストレス測定は、尿を試料とする予定であった。しかし文献検討を重ねた結果、酸化ストレスを測定する際は、尿のみならず血液も試料として測定することが重要であることがわかった。また、妊婦の抑うつ状態を客観的に評価するためには、酸化ストレス測定と同時に抗酸化ストレス測定を実施することが有益であることがわかったことから、調査項目を再検討して調査を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
妊婦のストレスを客観的に評価する指標である酸化ストレス測定の試料として、尿のみならず血液も測定することが有益だとわかり、調査方法の変更をした。また、酸化ストレスは生体内の酸化力が抗酸化力を上回ることで代謝障害を起こすことがわかったことから、酸化ストレス測定と同時に、抗酸化ストレスの調査項目を追加したため。 酸化ストレスについては血液を採取し血清MDA測定、抗酸化ストレス測定はPAO測定を使用計画に追加する。
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