研究課題/領域番号 |
25463525
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
望月 千夏子 帝京大学, 助産学専攻科, 講師 (10527857)
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研究分担者 |
望月 由紀子 帝京大学, 医療技術学部, 講師 (70440253)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 妊婦 / 酸化ストレス / GHQ28 / マタニティビクス |
研究実績の概要 |
研究目的である「妊娠中の抑うつに対するスクリーニングツールの開発・有用性を検証する」ために、今年度は、アンケート調査と血液と尿を試料とした酸化ストレス・抗酸化ストレス(PAO)測定を実施した。酸化ストレス・抗酸化ストレス(PAO)は、妊娠中期・後期に2回、自記式質問紙・GHQ28質問紙によるアンケート調査は妊娠中期に実施した。当初の計画として、対象者は、普段エクササイズを取り入れている妊婦とエクササイズを取り入れていない妊婦の比較をし、分析する予定であったが、今年度は普段エクササイズを取り入れている妊婦のみの調査となった。現在、普段エクササイズを取り入れていない妊婦を対象とした調査を進めるための調整をおこなっている段階である。次年度の研究計画に追加し、調査する予定である。 今年度は、妊婦のために作られたエクササイズの一つである、マタニティビクスを習慣的に取り入れている妊婦を10名リクルートした。選定基準は、妊娠経過に問題がなく精神疾患の既往がない者とした。 調査結果については、対象者の属性は、平均年齢35歳、マタニティビクスを開始した時期は、13週~19週であった。GHQ28の結果は、身体的症状については、軽度1名・中度2名、不安と不眠については、軽度1名・中度5名、社会的活動障害については軽度5名であった。酸化ストレス結果は、尿中8-OHdGについては、8割の者が妊娠中期から後期にかけての明らかな上昇はみられなかった。尿中イソプラスタンについては、全ての者が、妊娠中期から後期けての明らかな上昇はみられなかった。血中抗酸化ストレス(PAO)については、7割の者が妊娠中期よりも後期に上昇していることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
マタニティビクスを実施していない妊婦をリクルートするためのフィールド先との調整に時間を要しているため。
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今後の研究の推進方策 |
文献検討の結果、妊婦の抑うつ状態を客観的指標と用いて評価するためには、酸化ストレスに加え、抗酸化ストレスの測定を調査することがより望ましいと考え、尿と血液を試料とした調査を実施することに計画を変更したが、血液を試料とする調査は、対象者への侵襲が大きくリクルートすることが困難であった。今年度の調査結果から、尿中の酸化ストレス測定結果は有用性があると判断できる。従って今後の調査では、尿を試料とした酸化ストレス測定を調査する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今後の調査では、習慣的にマタニティビクスを取り入れていない妊婦を対象とした調査を実施する必要があるため。
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次年度使用額の使用計画 |
酸化ストレス測定として、尿中8-OHdG・尿中イソプラスタン、アンケート調査として自記式質問紙・GHQ28を実施する。
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