【目的】妊婦の酸化ストレスを調査する。さらに、妊娠中に実施できるエクササイズを考案し、妊娠中の運動と酸化ストレスの関連について生理学的指標を用いて検証する。【方法】対象者は正常な妊娠経過で、精神疾患の既往がない初産婦とし、妊娠中期・後期に縦断調査した。介入群は考案したエクササイズを実施した者14名、対照群は考案したエクササイズを実施しない者12名を比較検討した。体内のストレス測定には、酸化ストレスを示す尿中8-OHdGを用いた。調査にあたり、帝京大学板橋キャンパス利益相反管理委員会の承認を得た。【結果】介入群の属性は、平均年齢33歳、初産婦10名・経産婦4名、調査期間の体重増加は+1㎏~4.8㎏、エクササイズ実施中に主体的運動強度「ややきつい」を示していた者は、初回6名・2回目11名であった。対照群の属性は平均年齢35才、初産婦10名・経産婦2名、調査期間の体重増加は+0.6~+5㎏、エクササイズ実施中に主体的運動強度「ややきつい」を示していた者は、初回0名・2回目5名であった。尿中8-OhdGは、介入群においてのみ有意な減少がみられ、その効果は初産婦においてより顕著にみられた。【結論】考案したエクササイズを実施することは、酸化ストレス亢進の予防に繋がることが生理学的指標を用いて明らかとなった。今後は、研究対象者数を増やし、エクササイズ実施中の主体的運動強度「ややきつい」と酸化ストレスの関連性を検証することが今後の検討課題となった。
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