本研究は、更年期の女性に好発するリウマチ性疾患であるシェーグレン症候群と関節リウマチの患者の健康に関する生活の質に注目したものである。特にシェーグレン症候群では、関節リウマチに比べ社会的な認知度も低くその患者の生活の困難さはわかりにくい。ドライマウスやドライアイは見た目にはわからず本人にしかそのつらさはわからない。また、乾燥症状からくる疲労感や夜間の口喝による不眠や覚醒などがあることが生活上の困難さを招いていることがわかってきた。そこで、この研究では主に睡眠の質の評価及び慢性疲労の評価を主観的スケールのみならず睡眠活動計(アクチグラム)を用いて客観的に測定することで明らかにしてきた。方法は、他の膠原病を合併していないシェーグレン症候群患者30名、他の膠原病を合併していない関節リウマチ患者30名、健常人30名を対象とした。評価項目は、乾燥症状、健康関連QOL(SF-36)、ピッツバーグ睡眠尺度による質問紙調査を実施した。質問紙調査後に14日間24時間の睡眠活動系の装着を行い、睡眠効率・睡眠時間・仮眠回数・仮眠時間・睡眠潜時・活動レベルなどを評価した。結果は、対象者は60名程度であり、関節リウマチ患者のリクルートが進まず群間比較の実施には困難が生じたが、年齢・仕事の有無の条件を合致させ健常人とシェーグレン症候群患者の比較が可能であった。また健常人およびシェーグレン症候群患者の健康関連QOLに影響を及ぼしている症状や睡眠状況を多変量解析にて明らかにした。最終年度には、これらの報告を学術集会にて報告した。また、これまでの成果を総説として投稿し受理された。現在は、睡眠活動系による評価について海外のジャーナルに投稿準備をしている
|