研究課題/領域番号 |
25463534
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研究機関 | 兵庫医療大学 |
研究代表者 |
鈴井 江三子 兵庫医療大学, 看護学部, 教授 (20289218)
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研究分担者 |
大橋 一友 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (30203897)
中山 芳一 岡山大学, キャリア開発センター, 助教 (40595469)
飯尾 祐加 兵庫医療大学, 看護学部, 助教 (70454791)
斉藤 雅子 兵庫医療大学, 看護学部, 准教授 (80511617)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 児童虐待 / 被害児童 / 行動特徴 / 学童保育 / 指導員 / 児童虐待予防 / マニュアル |
研究実績の概要 |
平成26年度は、平成25年度の調査結果から明らかになった被害児童と加害者である保護者の行動特徴を盛り込んだ研修内容を作成し、それを用いて岡山県の指導員を対象に早期発見要因と発見時の対応に関する研修会を3回実施した。また、当該研修会の効果を評価するために、岡山県の指導群を介入群とし、比較対象群を兵庫県の指導員として、両県における指導員を対象に、指導員がもつ児童虐待の認識と、児童虐待発見の実態調査も実施した。岡山県での研修会は、指導員が参加しやすいように岡山市、倉敷市、備前市の3市で行った。実施時期は、研修実施前の平成26年3月から4月にかけて1回目の調査を行い、次いで、研修実施後である平成26年5月から6月にかけて2回目の調査を実施した。そして、研修後の効果を評価するために、約1年後の平成27年2月から3月にかけて、再度、同じ調査用紙を用いて、岡山県と兵庫県の指導員を対象に調査を行い、データを収集した。 そして、平成26年度までの聞き取り調査で分析した、被害児童の特徴や保護者の特徴及び指導員の対応に関する内容を基に、『学童保育版児童虐待予防マニュアル』を作成中である。同マニュアルを作成するに際しては、指導員が視覚により子どもの状態を理解しやすいように文章とイラストを使用して作成する予定であり、そのイラスト作成をイラストレーターに依頼中である。同マニュアルが完成する平成27年9月に、兵庫県の指導員を対象に、同マニュアルを用いた児童虐待早期発見と対応に関する研修会を実施する予定である。 なお、本研究成果として、小児保健研究原著論文「学童保育指導員が認識した入所時の児童虐待被害児童と親の行動特徴」が掲載された。口頭発表は第18回East Asian Forum of Nursing Scholars国際学会と日本助産学術学会において行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度までに聞き取り調査を終えてデータを分析し、被害児童と加害者に関する特徴及びその対応策について明らかにした。また、明らかになったデータを基に、介入群である岡山県学童保育指導員を対象に研修会を行い、更にデータの補足を行った。そして、平成27年2月から同年3月にかけて、聞き取り調査のデータを基にした研修会の評価を行うべく、介入群である岡山県と、非介入群である兵庫県の両群を対象に、構成的質問紙票調査を実施して、現在データの入力中である。 さらに、平成27年度は学童保育版児童虐待予防マニュアルを作成することになっている。加えて、同マニュアルを用いた研修会を、兵庫県学童指導員を対象に行う予定であり、現在、兵庫県学童保育連絡協議会事務局長と日程調整を行い9月に実施予定である。学童保育版児童虐待予防マニュアルに使用するイラストは現在作成中であり、6月末頃までには第一版ができる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は、介入群と非介入群を対象とした研修会実施の効果を検証したデータ分析を行い、原著論文として投稿予定である。また、同年9月には、非介入群である兵庫県の学童保育指導員を対象に、作成したマニュアルを用いて、児童虐待防止に向けた早期発見徴候に関する研修会を実施し、意識の向上を図ると同時に、マニュアル作成への意見交換も行う予定である。 今後は、本研究により作成した学童保育版児童虐待早期発見マニュアルと、チェックリストが小学校でも使用できないか、汎用性を図るための準備も進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していたイラストの作成に時間を要したため、その費用が未使用額として生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
イラストの作成費用に充当する予定である。
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