研究課題/領域番号 |
25463537
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
新川 治子 岐阜大学, 医学部, 准教授 (90330711)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | マイナートラブル / 妊娠経過 / 快・不快体験 / 対児感情 / 自己肯定感 / 分娩経過 / 育児不安 / 産褥経過 |
研究実績の概要 |
本研究は妊娠中の快・不快体験が分娩期・育児期に及ぼす影響を明らかにし、妊娠期のケアの在り方を検討するためのエビデンスを見出すことを目的としている。この背景には、予てより妊娠中はその後に起こる分娩や育児に備えるための大切な時期であり、妊娠中の快適さが分娩や育児の取り組みをスムースにするといわれてきたが、その根拠を示すデータはいまだ明らかにされていないということがある。 2015年度は7月まで施設を訪問し、2013年に開始した調査A(妊娠中の快・不快体験と、妊娠中に発達することが期待される母性性や妊娠中の合併症との関連)のデータ収集を実施した。同年3月末までのデータ回収総数は673部となった。同時に調査Aの成果の一部を国際学会1件及び国内学会1件に発表し、専門家からの意見を得た。これらの成果については、現在論文投稿のために執筆を行っている。また、調査Aの記述データ部分の質的解釈をおこなうためにKJ法の研修を受け、専門家の助言を受けて抄録を作成し、2017年度開催予定の国際学術集会(ICM)に投稿した。 並行して2015年度は、調査B(妊娠中の快・不快体験が及ぼす分娩・育児への影響)のデータ収集を郵送法により継続して行い、3月末までに合計313部回収した。調査Bは初年度の調査開始の遅れ及び、研究者自身の異動に伴う研究費執行の中断の影響を受けたため、研究期間を延長。引き続きデータ収集を行い、順次データ分析、成果報告を行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究初年度(2013年度)に調査票の見直しや所属機関の倫理審査会の改変により、調査A,B共に開始が大幅に遅れた。しかし、2014年度に臨時要員を採用したり、調査協力施設内に協力者を得るなどの対応策を講じたことによって、調査Aについてはほぼ当初の計画に追いついた。 しかし調査Bについては縦断調査であるために、初年度の調査開始の遅れが響いた。さらに2015年度に研究者自身の異動に伴い研究費の執行の中断が余儀なくされたことも、調査の進行が遅れている原因である。遅れの程度としては半年程度と考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
1.調査Aについては、分析可能な数のデータを収集することができたため、2015年度7月にデータ収集を終了した。その後に行った国内外の学術集会での成果発表の際に得られた助言等もいかし、現在執筆している論文を投稿する。 2.調査Bについては産後1年が最終のデータとなるため、現在承諾の得られている対象から引き続きデータを収集し、随時分析、成果報告を行う。 3.調査AおよびBの成果から、次の研究課題が明らかとなったため、研究継続のため準備を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究初年度(2013年度)に調査票の見直しや所属機関の倫理審査会の改変により、調査A,B共に開始が大幅に遅れた。しかし、2014年度に臨時要員を採用したり、調査協力施設内に協力者を得るなどの対応策を講じたことによって、調査Aについてはほぼ当初の計画に追いついた。 しかし調査Bについては縦断調査であるために、初年度の調査開始の遅れが響いた。さらに2015年度に研究者自身の異動に伴い研究費の執行の中断が余儀なくされたことも、調査の進行が遅れている原因である。遅れの程度としては半年程度と考えられる。
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次年度使用額の使用計画 |
1.調査Aについては、国内外の学術集会での成果発表の際に得られた助言等を生かし、現在執筆している論文を投稿する。広く成果を周知するために投稿先は英文誌を考えている。そのため、英文校正のための費用が必要である。 2.年度末に投稿した国際学会の準備のために、英語によるプレゼンテーション等の準備にかかる費用を支出する。 3.調査Bについては、現在承諾の得られている対象から引き続きデータを収集するための郵送料及び調査用紙等の文具、随時データ入力を依頼するための委託料、成果報告を行うための旅費等の支出を予定している。
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