本研究は2つの調査で構成した。1つは、妊娠中の快・不快体験の実態と、影響因子を明らかにすることを目的とした質問紙調査である。この調査からは日ごろ語られることのない妊娠中の女性の幸福感や喜び、親としての自覚の状況と胎児への愛着や自尊感情との関係が明らかになった。 2つ目は妊娠から出産後1年までの期間にある女性の身体的、精神的な快・不快体験の経過を明らかにする縦断的調査である。この調査により、妊娠中に生じた不快症状の周産期における予後が明らかとなった。妊娠中の体験が出産や育児に及ぼす影響については、現在解析中である。
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