研究概要 |
本研究の目的は、妊娠中および出産後早期の母親とパートナーを対象に、乳児期の子どもの泣きへの理解と対応を含めた、我が国における乳幼児揺さぶられ症候群(SBS:Shaken Baby Syndrome)予防プログラムを作成することである。予防プログラムを作成するにあたっては、申請者による先行研究(Okamoto,M.2012)で実施した妊娠中からの子どもの泣きへの対応含む子育て支援プログラムの内容を中心に、海外のSBS予防プログラム等を参考にした。 本研究の目的を遂行するにあたり、平成25年度はSBS予防のための教材として両親学級や退院指導で使用できるDVDと小冊子を作成した。 DVDのタイトルは「Stop!Stop! 乳幼児揺さぶられ症候群」で、視聴時間は10分で前半は“泣きと上手につきあうために”、後半は“ご存知ですか乳幼児揺さぶられ症候群”とした。小冊子のタイトルは「そっと、離れて。乳幼児揺さぶられ症候群予防BOOK」で全10ページである。構成内容は、①SBSとは何か、②SBSの起こる養育者の社会的背景について、③SBSの予防方法と養育者自身のケアについて、④泣くことの意味と成長に伴う泣きの特徴とパターン、⑤泣きへの具体的な対処方法、⑥養育者のための社会資源の紹介と活用についてである。 平成26年度の継続研究では、上記のDVDと小冊子を取り入れた両親学級を開催し、実施前後のSBSに関する知識の変化、泣きへの対処方法の気付きと理解状況を質的研究にて分析し、その結果を基に量的研究のための質問紙を作成する。 引用文献:Okamoto,M.:Early parenting program as intervention strategy for emotional distress in first-time mothers. MCHJ, Open access, 2012.
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