研究課題/領域番号 |
25463539
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
岡田 佳詠 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (60276201)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 認知行動療法 / 看護師 / 教育 / 研修 / スーパービジョン |
研究実績の概要 |
本研究は、うつ病等の精神疾患への効果が検証されている認知行動療法を、精神科看護師が早期に臨床に導入するための短期研修プログラムを作成し、効果を検証することを目的とする。 平成25年度に、既存の国内の看護師を対象とする認知行動療法の研修プログラムと、スーパービジョンに関する文献および研修内容を参照し、約2ヵ月間で認知行動療法の基礎から実践をまなぶ4日間の研修プログラムを作成した。平成26年12月までに、43名の看護師が本プログラムに参加し、量的・質的分析を総合するMixed Methodにより効果を検討した。量的データとして、研修2日目と4日目に認知療法認識尺度(CTAS)、また4日目のみ、スーパーバイザーによる認知療法尺度(CTS)の測定を行った。また質的データとして、研修2日目と4日目にグループインタビューを実施し、認知行動療法の実践に関する目標の達成状況、患者への効果、自身のスキルの変化、臨床上の課題等について検討した。これらの結果を総合すると、本プログラムがCBTの基礎的知識を得ること、CBTのスキルの向上に寄与した可能性があること、なかでもグループスーパービジョンがCBT実践による患者への効果や看護師自身の変化・改善につながることが示唆された。 また、平成26年度後半に、国内における、認知行動療法の研修受講経験のある精神科看護師約500名を対象に、受講した研修の内容、臨床での認知行動療法の活用状況、患者への効果、活用あるいは活用しなかった理由等について調査を実施し、現在、データを収集中である。 今後、これらの結果を考慮して本プログラムを修正し、対照群を設けて効果検証を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度は、本研修プログラムを3クール実施し、対象数を43名まで増やすことができた。また、量・質的なデータ分析から、研修プログラムの効果と課題が明らかになってきており、さらに質的な分析を進めることで精錬できると予測される。さらに、研修受講経験のある看護師を対象とした調査を開始し、その結果が得られることで、より妥当な研修プログラムへの修正が可能となり、平成27年度の対照群を設けた効果研究につながると考える。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は、平成26年度の本研修プログラムの効果の検討結果、また研修受講経験のある看護師への調査結果をもとに、本研修プログラムを修正し、対照群を設けた効果の比較研究を行う予定である。また、同時に、看護師で認知行動療法のスーパーバイズができる人材の養成も開始する。
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