研究課題/領域番号 |
25463547
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
三笘 里香 熊本大学, 生命科学研究部(保健学系), 教授 (10305849)
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研究分担者 |
山内 豊明 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20301830)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | フィジカルアセスメント / シミュレーション |
研究実績の概要 |
本研究は、訪問看護に従事している訪問看護師のフィジカルアセスメント能力を向上させるシミュレーショントレーニングプログラムを開発し、訪問看護師同士で継続してフィジカルアセスメントトレーニングが行えるように訪問看護分野の認定看護師をインストラクターとして育成し、シミュレータがない環境下でもトレーニングが行えるように学習コンテンツを作成し、学習システムを構築することを最終的な目標としている。 本研究では生命に直結する呼吸・循環機能に焦点を当てたフィジカルアセスメントを強化することとし、患者の状態が急変する前に気付き、重篤化させないフィジカルアセスメント能力を獲得するためのシミュレーショントレーニングプログラムとした。看護職のうち先行してシミュレーション教育を行っている医療機関の認定看護師及び専門看護師と協力して、時間を設定しタイムプレッシャーの条件下で患者の状態を変化させるシナリオを作成し、シミュレーショントレーニングの評価指標を策定した。また、シミュレーション方法は数名から構成するグループでシナリオを実施し、インストラクターがファシリテーションし、グループメンバーと共にデブリーフィングを行う方法とし、インストラクターの指導が統一できるようにインストラクター用の資料を作成した。シミュレータを用いてトレーニングできるように物品と環境を整備し、認定看護師・専門看護師と共に実施及び評価を行い、内容及び方法を改良した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究において、本年度はシミュレーショントレーニングプログラムの内容、方法及び評価方法を検討し、試行した後に再検討することを予定していた。シミュレーショントレーニングプログラムの作成にあたっては、妥当性・信頼性を確保するためにはシミュレーション教育に精通している協力者が必要であるために看護職のうち先行してシミュレーション教育を行っている医療機関の認定看護師及び専門看護師と協力しており、計画を一部修正してはいるものの、ほぼ予定通りに実施が完了した。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度に策定したシミュレーショントレーニングプログラムを用いて、訪問看護に携わっている認定看護師にシミュレーショントレーニングを受ける看護師の学習を効果的に促進するためにファシリテーション、デブリーフィング教育を実施する。また、シミュレーショントレーニングプログラムの評価指標に基づき指導および評価ができるように指導し、シミュレーショントレーニングプログラムのインストラクターとして養成する。 ②学習コンテンツの作成 シミュレーショントレーニングプログラムはシミュレータを用いて実施するが、シミュレータがない環境下においても自分の時間を使って自分のペースでトレーニングができるように、シミュレーショントレーニング内容を学習コンテンツとして作成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初シミュレータを購入する予定であったが、シミュレーショントレーニングプログラムを作成する段階で大学において当該シミュレータを購入し、それを使用できることになったため、シミュレータの購入を見合わせた。
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次年度使用額の使用計画 |
シミュレーショントレーニグにシミュレータを使用できる環境にあるため、その経費をシミュレータがない環境下においてもトレーニングができる学習コンテンツ作成と学習システムの構築のために、専門の外部機関に委託して実施するために必要な経費として計上する。また、シミュレーショントレーニングプログラムを訪問看護師に適用させるために、より専門的な観点から検討を行うため、研究協力者らの協力を仰ぐ必要があるため、そのための謝金を計上する。また、研究組織及び外部の専門機関などとの調整を実施するため、旅費および会議費を計上する。
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