研究課題/領域番号 |
25463549
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
久保田 正和 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (80452267)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 在宅支援 |
研究実績の概要 |
介入群として、京大病院神経内科へ外来通院中の患者・家族において、料理ナビゲーションシステムを設置できる環境である方を選定した。研究協力者である大阪工業大学情報科学部が開発した料理ナビゲーションシステムを患者宅に設置し、実際にメニューに沿ってシステムを扱っていただいた。途中、患者に他の疾患が発症し、さらに認知症が進行したため、料理ナビゲーションシステムを遂行することはできなかったが、料理ナビゲーションシステムに関するアンケートにはお答えいただくことができた。同じシステムを用いた高次脳機能障害者対象の先行研究では、1) 料理ナビゲーションシステムは、被験者の独力での調理完遂に貢献した。2) 料理ナビゲーションシステムの利用により、被験者自身の自己効力感が向上した。3) 自己効力感の向上を通じて被験者の自立を促すことができた、等の成果を得ている。今回、我々は認知症患者を対象として遠隔認知リハビリテーションに取り組んでいるが、進行性の疾患である認知症に対し、効果を得ることは難しい可能性を感じている。また、介入者家族のアンケートから、より簡易的なシステムが好ましいことと、料理を作るあるいは食べる上で、他者との関わりを求める意見が出された。27年度はその結果も含めて、このナビゲーションシステムをより簡易的にする等の改良を考えている。また、さらに対象者を増やし、使用した患者と家族に対して遠隔リハビリテーションシステムについてどのように感じたか、利点・欠点をそれぞれに述べてもらい、上記の先行研究と十分な比較検討を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
介入患者の病状により、介入計画通りには進んでいない。また、条件に合致する対象者の集まりが悪い。
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今後の研究の推進方策 |
現在の料理ナビゲーションシステムをより簡易的なものに改良し、認知症患者が取り組みやすいシステムを構築する。そのうえで、可能な限り対象者を増やす予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
26年度は研究進捗状況の遅れから、予定していた学会発表を行うことができなかった。そのため、旅費、学会参加費などのその他の項目で未使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
27年度は最終年度であり、26年度からずれ込んだ学会発表にかかる費用、また、まとめとしての雑誌の投稿などで当初の予定額を使用する予定である。
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