研究課題/領域番号 |
25463550
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
仁科 祐子 鳥取大学, 医学部, 講師 (70362879)
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研究分担者 |
長江 弘子 千葉大学, 看護学研究科, 教授 (10265770)
谷垣 靜子 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (80263143)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 訪問看護師 / 若手訪問看護師 / 自律性 / 判断 / 仕事満足度 / 仕事継続意志 |
研究実績の概要 |
平成27年度は、訪問看護師の自律的判断に関する文献検討と概念分析を行った。また我々の先行研究のまとめを行い、今後の本研究への示唆を得た。 1.訪問看護師の自律的判断に関する概念分析を行った。訪問看護師の自律的判断とは、対象者と家族の意思・希望に添った在宅生活の継続や満足ある看取り、看護師自身の成長や満足をもたらすための、対象者への支援に関する看護師の思考の視点と意思決定の方法である。《対象者の生き方・意思・希望を基盤に考える対象者中心思考》《対象者・家族のこれからのより良い生活を見据える生活継続の視点》を常にもち、《身体・心理・生活・家族・ケアの効果や影響を統合する思考過程》《健康状態・悪化の予測・緊急時対処方法など予防的な危機管理の視点》により対象者の生命と生活を守り、《家族間の関係性と訪問看護師の立ち位置を考慮》し、《ケアチームの中での看護と利用者の利益となるチームのあり方を模索》することにより、利用者をとりまく人と人との関係性を尊重してケアの方向性を決定すること、と定義された。 2.本研究の先行研究である「訪問看護師の仕事満足度を高めるための臨床心理学研修の試行と評価」について、論文作成にあたった。臨床心理研修は臨床心理士と協働して作成し、パーソンセンタードアプローチやカウンセリングの基本、アサーティブネスなどについて学習する参加型の研修であった。参加者は訪問看護師9名であった。研修前より研修後に、同僚からのサポートや心理的報酬感が改善していた。また全体的な仕事満足度や職場の人間関係満足度、看護ケア満足度などが向上していた。研修後に「人と人との関係について深く考える」ことに活用できた人が多かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成27年度に若手訪問看護師への面接調査や質問紙調査を実施する予定であったが、文献検討に予想以上に時間を要したため、調査の実施に至らなかった。よってやや遅れていると評価する。しかしながら丁寧な文献検討は必要な過程であると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は、まず、訪問看護師の判断についての文献検討を進め、概念分析を行う。その結果をふまえて、若手訪問看護師への面接調査、質問紙調査の準備と実施を行う。特に文献検討、概念分析で明らかになったことを基盤として調査の準備を行いたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度に面接調査・質問紙調査を実施することを予定していた。しかし、その前段階である文献検討に予想以上に時間を要しているため、調査実施に至らなかった。よって、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度に文献検討をまとめ、面接調査・質問紙調査を実施する。その調査の準備費用、調査実施費用にあてる。
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