災害復興期における高齢者の健康上のニーズの経時的変化と支援方法に関する研究

2016 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 25463557
• 研究機関: 新潟県立看護大学
• 研究代表者: 河原畑 尚美 新潟県立看護大学, 看護学部, 准教授 (50511622)
• 研究分担者: 小野 幸子 宮城大学, 看護学部, 教授 (70204237) ; 山崎 尚美 (平木尚美) 宮城大学, 看護学部, 准教授(移行) (10425093) [辞退] ; 名古屋 紘子 宮城大学, 看護学部, 助教 (10613680) ; 出井 理恵子 宮城大学, 看護学部, 助教 (00376295) ; 出貝 裕子 宮城大学, 看護学部, 准教授 (40315552) ; 大江 真梨子 宮城大学, 看護学部, 助教 (40710215) [辞退] ; 成澤 健 宮城大学, 看護学部, 助教 (90584491)
• 研究期間 (年度): 2013-04-01 – 2017-03-31
• キーワード: 災害復興期 / 高齢者 / QOL / 健康上のニーズ

研究実績の概要

【健康上のニーズの分析と評価】4月に平成27年度に実施した体力テストを実施した。11名の参加があったが、先回と2回とも参加している9名を対象に比較分析をした。体力テストの項目は、仙南圏域地域リハビリテーション広域支援センターが開発したソフト「簡易型体力測定ソフトー仙南版―」（「３ｍ Ｔｉｍｅ ｕｐ ＆ ｇｏ ｔｅｓｔ」の評価結果も含む6項目の評価が可能）に基づいて実施した。また、毎月実施してきた身体状況のチェックとともに認知機能のチェックとして「もの忘れ相談プログラム」を使用し認知機能のチェックを実施した。その結果、体力テストでは一部低下している項目もあったが、維持・向上している項目もあり、認知機能については、ほぼ変化が見られなかった。
前回同様、それぞれが老性変化による生活障害を調整しながら、仮設住宅における生活の中で健康を維持している状況があった。
復興住宅への移動については、震災当初の計画から大幅に遅れており、ほとんどの住民が仮設住宅での生活を続けている状況であり、新しいコミュニティにおける健康ニーズの変化については、十分に検討が進められなかっため、今後の課題である。
平成24年から取り組んできた学生ボランティアを含む支援活動の活動内容について、冊子にまとめ、住民、協力者に配布した。月1回の支援活動を約4年間継続してきた。当初は、住民の健康が維持できるように学生を含め、支援者側で支援内容を検討し実施してきたが、後半は住民からの企画の要望もあり、それぞれが本来持つ力を発揮できる場作りを支援する形と変化してきた。課題となっていた集会所での活動に参加できない仮設住民への個別訪問については、住民企画への支援の優先性が高いとと判断したこと、本業の傍ら月1回の活動の中での限界などから、実施に至らなかった。これまでの活動についての全体評価と今後の課題については、別途報告書にまとめる。