東日本大震災後、仮設住宅で暮らす高齢者への支援を通じて、災害復興期にある高齢者の健康上のニーズの経時的変化に応じた支援方法を検討した。参加者の大半が後期高齢者で、老化と疾病による一時的悪化がみられたが、自分なりの生活を営み、体力テストでは日常生活に必要な身体運動機能の維持が示された。約2年を要した自分史作りではQOL指数が上昇し、参加者も自分のこれまでの歩みが確認でき、震災に伴う辛い体験や現実と向き合いながらも力強く生きている自分を再発見できたと肯定的に評価した。また、3年目は参加者の積極的な提案よる活動に変化した。被災者にとって、自分を紐解く作業や静と動を取り入れた支援の継続が有用であった。
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