研究課題/領域番号 |
25463559
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研究機関 | 埼玉県立大学 |
研究代表者 |
善生 まり子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (20292394)
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研究分担者 |
菅野 康二 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 臨床研究医 (80445543)
戸田 肇 北里大学, 看護学部, 教授 (80286369)
久保田 亮 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (90548124)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 在宅支援 / 看護職 / 継続看護 / 看護実践能力 / IPW / アクションリサーチ |
研究実績の概要 |
【目的】本研究では、自宅退院困難と判断された患者とその家族を対象にした行なわれる患者・家族参加型の院内・地域専門職共同カンファレンス(以下、Conf.)について、リフレクションを実施し、患者と家族が円滑に在宅療養生活へ移行できるような専門職連携支援のあり方について検討した。 【方法】対象者は10事例のConf.参加者91人、データ収集方法:A病院院長および看護部長の研究協力同意のもとに、退院調整看護師の協力を得て、筆者のConf.参加、その後のリフレクション調査について事前に参加予定者に内諾を得た。当日、改めて参加者の同意を得てConf.および、リフレクション内容を音声録音し観察内容をメモした。Conf.後に調査協力可能な者を対象にリフレクションを実施した。調査期間:平成26年3月下旬~平成27年4月末(約1年1か月間)。データ分析方法:各音声データは逐語録を作成し、観察メモと共に元データとした。Conf.データは資料に位置付け、リフレクションデータを分析対象とした。在宅移行期支援に係る専門職連携実践の観点から内容分析を行った。本研究はB大学研究倫理委員会の承認を受けた。 【結果・考察】分析対象者内訳(数字は人数)は、患者4、妻7、長男3、長女2、次女2、実父1、実母1、実妹3、友人1、退院調整看護師12、病棟看護師6、薬剤師3、理学療法士2、社会福祉士1、介護支援専門員9、訪問看護師7(管理者4)、福祉住環境事業者6、生活保護担当(行政)1、通所介護事業所管理者1、生活介護事業所管理者1、地域包括支援センター主任介護支援専門員1。Conf.後リフレクション参加率81.3%、リフレクション時間/回は最小30分~最大50分、参加人数/回は最小4~最大9人であった。リフレクションにより、在宅移行期支援に係る専門職連携の課題が抽出され、支援の改善に役立つ知見になることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
①アクションリサーチの質向上:研究者間および研究協力に関わった多専門職からの助言および指導、患者、家族からの評価を受けることで改善を積み重ねた。 ②研修は、講義・演習形式ではなく、実際の在宅移行期支援に関わる患者・家族参加型の専門職連携カンファレンスにおけるリフレクションを調査と共に教育的支援(研修)と位置付けにより実施し、現在、研究者間で評価している。 これらの調査等により、平成27年度調査および成果まとめのステップとなった。 以上により、本研究はおおむね順調に進展していると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
平成25、26年度の在宅移行期支援に係る研究成果を活用し、実際に在宅支援の専門職連携の要として活動している介護支援専門員および在宅介護者(家族)に調査を実施し、在宅移行期支援に係るプロトコールを作成し、各研修会および専門職の会議の場で公開し評価を得る予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度、研究代表者および研究分担者(戸田肇氏)の当初予定していた、学会参加わせに係る参加費および旅費、英文作成した抄録等のネイティブ英語翻訳依頼、研究打ち合わせに係る旅費、調査旅費、遠隔研究打ち合わせ用タブレット端末購入、電子書籍等について、平成27年度に繰り越しが必要となったため。
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次年度使用額の使用計画 |
・学会参加(日本看護科学学会学術集会、大阪市)2泊3日(旅費4万、参加費1万)2名分計10万円、英語翻訳 3万円、研究打ち合わせ旅費 1万円、遠隔研究打ち合わせに係るタブレット端末 6万円、電子書籍 3万円、調査データ保存管理関連IT用品 1万円 以上を予定している。
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