研究課題/領域番号 |
25463572
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
岡本 双美子 大阪府立大学, 看護学部, 准教授 (40342232)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | グリーフケア / 緩和ケア / 家族看護 / 困難感 / 死別 / 在宅ホスピスケア / 終末期がん患者 / 看取り |
研究実績の概要 |
今年度は訪問看護師を対象としたグリーフケアにおける「教育プログラムの開発」を行うために、昨年度に実施した研究をまとめ、学会に発表した。 本研究の目的は、在宅で終末期がん患者を看取った家族へのグリーフケアを行う際に訪問看護師が抱いた困難を明らかにすることである。対象は、在宅で終末期がん患者とその家族へのケアを実践した経験のある訪問看護師のうち研究協力に同意した者である。半構成的面接ガイドラインと個人特性調査票に基づいた面接によりデータを収集し、データを逐語録にして死別後のグリーフケアに関する困難に該当する内容を文脈単位で抽出し、これを意味内容が損なわれないように名称をつけてコード化し、意味内容が類似したものを集めてサブカテゴリー化、カテゴリー化して分析した。研究の信頼性、妥当性を確保するため、在宅看護の実践経験のある研究者と訪問看護師により検討を重ねた。本研究は大阪府立大学看護学研究倫理委員会による承認を得て実施した。 対象は、13名で全員が女性、平均年齢は44.5±4.7(36~51)歳であった。在宅終末期がん患者への看護の経験は10.8±5.6(4~20)年であった。訪問看護師が死別後のグリーフケアを行う上で感じた困難として、<グリーフケアをしていない>と<グリーフケアの知識がない>、<グリーフケアの方法がわからない>、<グリーフケアの評価ができない>、<グリーフケアを行う体制が整っていない>、<技術や能力が未熟でグリーフケアができない>、そして、<看護師の精神的不安定さ>の7つのカテゴリーが抽出された。 看護師はグリーフケアの教育を受けたことがないために、知識不足や実施・評価方法がわからずグリーフケアを提供できていなかった。そのため、グリーフケアを教育するプログラムの開発が必要であると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度は、昨年度に実施した「在宅で終末期がん患者を看取る家族へのグリーフケアの困難~死別後の家族への支援を通して~」について、分析を行い、学会発表を行った。 死別前と死別後の家族への支援について、研究と地域看護と在宅看護専門看護師(CNS)を対象としたインタビューの結果から、訪問看護師が行う在宅で終末期がん患者を看取る家族のグリーフケアに関する「教育プログラムの開発」を行った。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は、「開発した教育プログラムの実施とその評価」を行う。 近畿圏の訪問看護ステーションを対象に、訪問看護師に「在宅で終末期がん患者を看取る家族のグリーフケアに関する教育プログラム」を実施する。約100名の参加を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度は、「教育プログラムの開発」のための地域看護または在宅看護専門看護師(CNS)のインタビュー実施期間が少し遅れて開始となり、人数が少なくなった。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度、引き続き、「教育プログラムの開発」のために、地域看護または在宅看護専門看護師(CNS)のインタビューを行う。そして、開発したプログラムを実施し、評価する。評価するために比較できる情報の収集を行う。
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